日本では、夏から秋にかけて台風が来ます。台風が近づくと、雨と風がとても強くなり、電車が止まったり、停電したりすることがあります。
この記事では、台風が来る前にしておくこと、台風の日に気をつけること、避難のタイミング、台風の情報を英語で見る方法を、気象庁や首相官邸などの公式情報をもとにまとめました。
この記事は、2026年11月2日時点の情報です。避難の情報や電車の運休は、住んでいる地域の市区町村や鉄道会社の発表を確認してください。
1. 日本の台風対策:まずはここだけ
先に、よく聞かれることの答えを表にまとめます。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 台風が多いのはいつ? | 7月から10月。日本に近づく数がいちばん多いのは8月と9月(2章) |
| 何が危ない? | 大雨(川や道に水があふれる、土砂くずれ)と、強い風(物が飛んでくる)(2章) |
| 前日までにすることは? | ベランダの物を中に入れる、窓のカギをかける、水と食べ物を用意する(3章) |
| 台風の日は? | 外に出ない。電車が前もって止まることがある(4章) |
| いつ避難する? | 警戒レベル4までに、危険な場所から避難する(5章) |
| 英語で情報を見るには? | 気象庁の多言語ページや、アプリ「Safety tips」(6章) |
くわしい内容と出典は、それぞれの章にあります。
2. 日本の台風はいつ多い?何が危ない?
台風が多い時期
首相官邸は、「7月から10月にかけては日本に接近・上陸する台風が多くなり」と説明しています。気象庁の平年値(1991年から2020年の30年の平均)では、月ごとの台風の数は次のとおりです。

| 月 | 日本に近づく数(接近数) | 日本に上陸する数(上陸数) |
|---|---|---|
| 4月 | 0.2 | なし |
| 5月 | 0.7 | 0.0 |
| 6月 | 0.8 | 0.2 |
| 7月 | 2.1 | 0.6 |
| 8月 | 3.3 | 0.9 |
| 9月 | 3.3 | 1.0 |
| 10月 | 1.7 | 0.3 |
| 11月 | 0.5 | なし |
| 12月 | 0.1 | なし |
| 1年 | 11.7 | 3.0 |
「なし」は、30年間で1回もなかったという意味です。
日本に近づく台風は、1年で平均11.7個です。8月と9月が多いですが、10月にも近づくことがあります。
大雨で起きること
- 道に水があふれる:歩いていると、道のはしにある溝(側溝)が見えにくくなります。首相官邸は、浸水した道路で側溝に落ちる事故や、道路の下を通るトンネル(アンダーパス)が水につかる被害が起きていると説明しています
- 川があふれる:川の近くの家に、水が入ることがあります
- 土砂くずれ:山やがけの近くは、土や石がくずれてくることがあります
強い風で起きること
看板や物が飛んできたり、木が倒れたりします。気象庁は、風速25m/s以上の風がふいている、またはふく可能性がある範囲を「暴風域」と呼んでいます。
ニュースでよく出る言葉
台風のニュースでは、むずかしい言葉がよく出ます。気象庁の説明をもとに、やさしく言いかえました。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 冠水 | かんすい | 道路や畑が水をかぶること |
| 浸水 | しんすい | 家などに水が入りこむこと |
| 洪水 | こうずい | 川の水がとても増えて、あふれること |
| 高潮 | たかしお | 台風などで、海の水の高さがいつもよりとても高くなること |
| 暴風域 | ぼうふういき | 風速25m/s以上の風がふいている、またはふく可能性がある範囲 |
| 予報円 | よほうえん | 予報した時刻に、台風の中心が70%の確率で入る範囲(台風の大きさではありません) |
(参照:首相官邸「大雨・台風では、どのような災害が起こるのか」/気象庁「台風の平年値」/気象庁「台風情報の種類と表現方法」/気象庁「予報用語 河川」/気象庁「予報用語 波浪」)
3. 台風が来る前にすること(準備チェックリスト)
台風の準備は、雨と風が強くなる前に終わらせておきましょう。気象庁と首相官邸の案内をもとに、例を足してチェックリストにしました。
家の外(ベランダ・玄関のまわり)
- [ ] 風で飛びそうな物を、中に入れるか固定する:植木ばち、物干しざお、自転車など
- [ ] 窓や雨戸のカギをかける:必要ならじょうぶにします
- [ ] 側溝や排水口(ベランダの水が流れる穴)を掃除する:水が流れやすくなります
家の中
- [ ] 窓ガラスの対策:気象庁は、飛散防止フィルム(ガラスが割れても飛び散りにくくするシート)を貼ったり、カーテンやブラインドを下ろしたりすることをすすめています
- [ ] 水を用意する:飲み水のほかに、水が止まったときのために、浴槽(おふろ)に水をためておきます
- [ ] 停電にそなえる:懐中電灯、電池で動くラジオ、スマホの充電
- [ ] 食べ物と水をたくわえる:首相官邸は、飲み水は3日分(1人1日3リットルが目安)、食べ物も3日分をすすめています。大きな災害のときは、1週間分あるとよいとしています
- [ ] 非常用の持ち出し袋を確認する:すぐ持って出られるように、リュックに入れておきます
住んでいる場所の危険を調べる
国土交通省と国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」では、住所を入れると、洪水・土砂災害・高潮などの危険を地図で見られます。住んでいる市区町村のハザードマップを見られるページもあります。自分の家が水につかりやすい場所かどうか、台風が来る前に一度見ておきましょう。
ごみの日に気をつける
台風が近づいているときは、ごみを出さないようにと案内している市区町村があります。たとえば神奈川県横浜市は、台風が近づいているときは、飛んできた物でけがをするおそれがあるので、次の収集日かそれより後に出すよう案内しています。ごみの出し方の基本は、日本のごみ出しルールのガイドで紹介しています。
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火災保険を確認する
日本損害保険協会によると、部屋を借りている人が火災保険に入るときは、家財(家の中の家具や電気製品など)だけの契約になります。同じ協会の説明では、台風などの風による被害(風災)は、住宅火災保険でも住宅総合保険でも、お金が出ます。水による被害(水災)は、住宅総合保険ではお金が出ますが、住宅火災保険では出ません。どちらも、一部を自分で払う場合があります。自分の保険で何にお金が出るか、契約書で確認しておきましょう。
(参照:気象庁「自分で行う災害への備え」/首相官邸「事前防災でいのちを守ろう 災害が起きる前にできること」/ハザードマップポータルサイト/横浜市「荒天時の家庭ごみの収集について」/日本損害保険協会「火災保険」)
4. 台風の日の過ごし方(停電・電車・仕事)
外に出ない
台風が近づいたら、できるだけ外に出ないで、家の中ですごしましょう。首相官邸は、浸水した道路で側溝に落ちる事故が起きていると説明しています。水があふれた道や、増えた川、海の近くには行かないようにしましょう。
停電したら
内閣府は、停電は水害などの自然災害でも起きると説明しています。夜に停電すると、部屋がまっ暗になります。懐中電灯は、すぐに手が届くところに置いておきましょう。
電車が前もって止まる(計画運休)
大きな台風が来るときは、鉄道会社が前もって電車を止めることを決めて、知らせることがあります。これを「計画運休」といいます。国土交通省は、鉄道会社が、いつどんな情報を出すかの流れ(タイムライン)を前もって作るとしています。台風の前の日は、使う路線の鉄道会社のサイトやアプリを見ておきましょう。
仕事やアルバイト
台風の日に仕事が休みになるかどうかは、会社によってちがいます。前の日までに、会社やアルバイト先に、休みになるか、どう連絡すればいいかを聞いておくと安心です。電車が止まって遅れるときや休むときの連絡のしかたは、遅刻の連絡の電話・メール例文で紹介しています。
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会社の都合で休みになったときは、基本的に、会社は休業手当(平均賃金の60%以上)を払わなければいけません。ただし、外から起きたことで、会社がどんなに注意しても避けられなかった場合(不可抗力)は、払わなくてよいとされています。厚生労働省は地震のときの説明でこう書いていて、会社の建物などに直接の被害がない場合は、基本的に会社の都合による休みになると考えられる、としています。台風のときにどうなるかは、会社に確認しましょう。
(参照:首相官邸「大雨・台風では、どのような災害が起こるのか」/内閣府「家庭における地震時等の停電対策について」/国土交通省「「計画運休」、鉄道各社がタイムライン作成へ」/厚生労働省「地震に伴う休業に関する取扱いについて」)
5. いつ避難する?
危険な場所にいる人は、警戒レベル4までに必ず避難します。 内閣府の「避難情報に関するガイドライン」は、「警戒レベル4までに必ず避難!」と案内しています。気象庁も、警戒レベル4は危険な場所からの避難が必要とされるレベルだとしています。
| 警戒レベル | 市区町村が出す情報 |
|---|---|
| レベル3 | 高齢者等避難(お年寄りなどが避難する) |
| レベル4 | 避難指示 |
| レベル5 | 緊急安全確保 |
レベル5を待たずに、レベル4までに避難しましょう。
首相官邸は、特にお年寄りや小さい子どもがいる家庭などは、警戒レベル3の「高齢者等避難」が出たときなど、早いうちに避難するようすすめています。
避難は、避難所に行くことだけではない
内閣府は、「避難」とは「難」を「避」けることで、安全な場所にいる人は避難場所に行く必要はないと説明しています。安全な親戚や知人の家も避難先になります。ハザードマップで、家が洪水・土砂災害・高潮の危険がある場所に入っていなければ、避難所に行かなくてよい場合があります。くわしくは、住んでいる市区町村の案内を確認しましょう。
2026年5月から警報の名前が変わった
気象庁は、2026年5月29日から、新しい防災気象情報を使い始めました。たとえば、これまでの大雨警報は「レベル3大雨警報」という名前に変わっています。くわしくは、防災気象情報が変わったことのニュースで紹介しています。
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防災気象情報が2026年5月28日から新しくなった。「危険警報」って何?警戒レベルの見方と避難の目安
2026年5月28日、気象庁の防災気象情報が大きく変わりました。新設の「危険警報(レベル4)」、洪水警報の廃止、レベル番号の付加など、日本で暮らす人が知っておくべき変更点を解説します。
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(参照:内閣府「避難情報に関するガイドライン」/内閣府「令和2年版 防災白書」/首相官邸「大雨・台風では、どのような災害が起こるのか」/気象庁「警戒レベル」/気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」)
6. 台風の情報を英語で見る・災害用Wi-Fi「00000JAPAN」
気象庁の多言語ページ
気象庁は、気象(天気、大雨など)・地震・津波・火山の情報を、いろいろな言語でのせています。日本語のほか、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、ネパール語なども選べます。
アプリ「Safety tips」
観光庁のアプリ「Safety tips」は、15の言語で、緊急地震速報や津波警報、気象の警報などを知らせてくれます。
災害用Wi-Fi「00000JAPAN」
大きな災害のとき、無料で使えるWi-Fiが開放されることがあります。名前(SSID)は「00000JAPAN」です。スマホのWi-Fiの一覧に「00000JAPAN」が出たら、選んで接続します。
- いつ使える?:大きな災害が起きたとき。2023年5月からは、通信会社のネットワーク障害などで通信が止まったときにも、通信会社の求めがあれば開放できるようになりました
- だれが使える?:災害があった地域で、だれでも使えるようにしています
- 気をつけること:通信が守られていません(暗号化されていません)。家族の無事の確認や情報を集めるときだけに使い、IDやパスワードなどの個人情報の入力や、銀行などのサービスはなるべく使わないようにしましょう
(参照:気象庁「Multilingual Information on Disaster Risk Reduction」/気象庁 多言語ページ/観光庁「Safety tips」(JNTO)/無線LANビジネス推進連絡会「災害用統一SSID「00000JAPAN」について」/無線LANビジネス推進連絡会「00000JAPAN利用者の皆様へ」)
7. よくある質問
Q. 台風の前日に、何をすればいいですか?
ベランダの物を中に入れる、窓のカギをかける、水と食べ物を用意する、スマホを充電する、の4つから始めましょう。3章のチェックリストも見てください。
Q. 窓にテープを貼ったほうがいいですか?
気象庁の案内には、テープを貼ることは書かれていません。気象庁がすすめているのは、飛散防止フィルムを窓ガラスに貼ることと、カーテンやブラインドを下ろしておくことです。
Q. 台風の日、会社は休みになりますか?
会社によってちがいます。前の日までに、会社に確認しておきましょう。電車が計画運休になると、仕事に行けないこともあります(4章)。
Q. 家にいてもいいですか?避難所に行かなければいけませんか?
ハザードマップで、家が洪水・土砂災害・高潮の危険がある場所に入っていなければ、避難所に行かなくてよい場合があります。くわしくは、住んでいる市区町村の案内を確認しましょう。危険な場所にいる人は、警戒レベル4までに避難しましょう(5章)。
Q. 「00000JAPAN」は安全に使えますか?
災害のときに、災害があった地域でだれでも使えるようにしたWi-Fiです。通信が守られていない(暗号化されていない)ので、個人情報の入力はなるべく避けましょう(6章)。
(参照:気象庁「自分で行う災害への備え」/内閣府「避難情報に関するガイドライン」/無線LANビジネス推進連絡会「00000JAPAN利用者の皆様へ」)
まとめ
- ✅ 台風は7月から10月に多い。日本に近づく数がいちばん多いのは8月と9月
- ✅ 前日までに、ベランダの物を中に入れ、窓のカギをかけ、水と食べ物を用意する
- ✅ 台風の日は外に出ない。電車の計画運休と、会社の連絡を確認する
- ✅ 危険な場所にいる人は、警戒レベル4までに避難する。ハザードマップで家の近くの危険を見ておく
- ✅ 英語の情報は、気象庁の多言語ページや「Safety tips」で見られる。災害のときは「00000JAPAN」も使える
台風が来てからでは、準備はまにあいません。台風のニュースが出たら、このチェックリストを見ながら、早めに準備をしておきましょう。