はじめに
2026年5月28日の午後から、気象庁が発表する防災気象情報の仕組みが大きく変わりました。
テレビやスマホで「レベル3 大雨警報」「レベル4 土砂災害危険警報」といった、今まで見たことのない表示が出るようになっています。日本語ネイティブでも戸惑う変更なので、日本語を勉強中の方はなおさら混乱するかもしれません。
この記事では、何が変わったのか、新しい警報が出たらどう行動すればいいのかを整理します。一度読んでおけば、台風や大雨のたびに慌てずに済みます。
TL;DR(この記事でわかること)
- 2026年5月28日から、大雨・河川氾濫・土砂災害・高潮に関する防災気象情報が大きく変わった
- すべての警報に「レベル○」の番号が付くようになった(例:レベル3 大雨警報)
- 新しく「危険警報」(レベル4)が作られた。これが出たら全員避難
- 洪水警報・洪水注意報は廃止。代わりに河川ごとの「氾濫情報」が出る
- 暴風・波浪・大雪・暴風雪の警報は変わっていない
免責事項: 本記事は気象庁・日本気象協会(tenki.jp)・ウェザーニュースの情報をもとに2026年6月1日時点で作成しています。
何が変わったのか:3つのポイント
ポイント1:すべての警報に「レベル番号」が付くようになった
今までは「大雨警報」「大雨特別警報」のように名前だけで発表されていました。これだと「どれくらい危険なのか」「自分は何をすべきか」がわかりにくいという問題がありました。
5月28日からは、すべての警報にレベル1〜5の数字が付くようになりました。
| レベル | 名前 | 意味 | あなたがやること |
|---|---|---|---|
| レベル1 | 早期注意情報 | 今後、気象状況が悪化する可能性がある | 最新の天気予報を確認する |
| レベル2 | 注意報 | 注意が必要な状況 | 避難先・避難経路を確認する |
| レベル3 | 警報 | 危険が近づいている | 高齢者・子ども・体の不自由な方は避難を開始 |
| レベル4 | 危険警報(新設) | 危険な状況 | 危険な場所にいる人は全員避難 |
| レベル5 | 特別警報 | すでに災害が発生している | 命を守る行動を取る |
レベル4が出たら、全員避難です。 レベル5は「すでに災害が起きている」状態なので、レベル5を待ってから逃げるのでは遅すぎます。
(参照:気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年〜)」)
ポイント2:「危険警報」が新しく作られた
今回の変更で一番大きいのが、レベル4に「危険警報」が新設されたことです。
今までは、レベル4に相当する情報が災害の種類によってバラバラでした。大雨なら「土砂災害警戒情報」、高潮なら「高潮特別警報」など、名前も発表元も違っていて、「レベル4」と言われてもどの情報のことか混乱しやすい状態でした。
5月28日からは、どの災害でも「レベル4 ○○危険警報」という同じ形式で発表されます。
| 災害の種類 | 以前の名前(レベル4相当) | 新しい名前 |
|---|---|---|
| 大雨 | 土砂災害警戒情報 | レベル4 土砂災害危険警報 |
| 高潮 | 高潮特別警報 | レベル4 高潮危険警報 |
| 河川氾濫 | 氾濫危険情報 | レベル4 ○○川氾濫危険警報 |
「危険警報」は、市区町村が避難指示を出す目安になる情報です。この警報が出た地域にいる場合は、すぐに安全な場所へ移動してください。
(参照:tenki.jp「いよいよ明日5月28日から新・防災気象情報がスタート」)
ポイント3:「洪水警報」「洪水注意報」が廃止された
5月28日から「洪水警報」「洪水注意報」という名前はなくなりました。
代わりに、以下のように変わっています。
- 大きな河川(約400河川):河川ごとに「○○川 レベル3 氾濫警報」「○○川 レベル4 氾濫危険警報」が出る
- 中小河川:「大雨」の注意報・警報に統合された
つまり、大きな川の近くに住んでいる人は「○○川」の名前が入った警報を見ることになります。自分の家の近くにどんな川があるか、確認しておくと安心です。
変わらないもの
今回の変更は大雨・河川氾濫・土砂災害・高潮の4つに関する情報です。以下の警報は変わっていません。
- 暴風警報
- 波浪警報
- 大雪警報
- 暴風雪警報
- 緊急地震速報
- 津波警報・大津波警報
つまり、地震や暴風、大雪のニュースを見たときは、今までと同じ言葉と判断基準でOKです。
「警戒レベル4までに全員避難」とは
これは今回の変更前から続いている、避難の基本ルールです。
| レベル | 誰が避難するか |
|---|---|
| レベル3 | 高齢者・乳幼児・体の不自由な方・その介助者(避難に時間がかかる人) |
| レベル4 | その地域にいる全員(働いている人・観光中の人も含む) |
| レベル5 | すでに災害発生中。安全な避難ができないことも。命を守る最善の行動を |
避難先は、市区町村が指定する避難所または安全な親戚・知人宅・ホテルでも構いません。ハザードマップで自宅が安全だと確認できる場合は、自宅の2階以上にいる「垂直避難」も選択肢になります。
(参照:内閣府「避難情報に関するガイドライン」)
日本語がわかりにくい時の対策
新しい警報は日本語で発表されます。日本語が難しい場合の情報源をまとめました。
多言語の防災アプリ・サービス
| ツール | 特徴 | 提供元 |
|---|---|---|
| Safety tips | 14言語対応のプッシュ通知アプリ(英・中(簡繁)・韓・西・葡・越・タイ・尼・タガログ・ネパール・クメール・ビルマ・モンゴル)。地震・津波・気象警報・噴火・熱中症情報も受信 | 観光庁監修 |
| 東京都防災アプリ | 英・中(簡繁)・韓・やさしい日本語に対応。都内在住・滞在者向け | 東京都 |
| NHK WORLD-JAPAN | 英語含む19言語のニュース・災害情報(ラジオ・テレビ・アプリ) | NHK |
| 気象庁 多言語ページ | 英・中・韓等で警報・注意報を確認 | 気象庁 |
| Yahoo!防災速報 | 位置情報に基づくプッシュ通知(日本語) | LINEヤフー |
Safety tipsは、位置情報をオンにすると自分のいる地域の警報だけが届きます。観光客向けに作られていますが、日本に住んでいる人が使っても問題ありません。
自治体の多言語防災メール
東京都・大阪府・愛知県など、外国人住民が多い自治体は、独自の多言語防災メールを配信しています。お住まいの市区町村のウェブサイトで「多言語 防災 メール」と検索するか、自治体の窓口(市民課・国際課)で登録方法を聞けます。出入国在留管理庁の外国人生活支援ポータル「緊急・災害」からも、各自治体の窓口にたどり着けます。
警報で出てくる漢字の早見表
スマホに日本語のアラートが届いたとき、最低限以下の言葉を見分けられれば、行動の目安になります。
| 日本語 | 英語 | 意味・行動 |
|---|---|---|
| 注意報 | Advisory | 注意してください |
| 警報 | Warning | 危険が近づいています |
| 危険警報 | Danger Warning | 全員避難 |
| 特別警報 | Emergency Warning | すでに災害発生中。命を守る行動を |
| 避難指示 | Evacuation Order | 市区町村からの避難命令。全員避難 |
| 避難所 | Evacuation Center | 避難する場所 |
今やっておくべきこと
新しい警報が出たときに慌てないために、今のうちにやっておくことがあります。
1. ハザードマップを確認する
自分の家や職場が、浸水・土砂災害・高潮のリスクがある場所かどうかを確認しましょう。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で住所を入力すれば確認できます。
2. 避難場所を決めておく
最寄りの避難場所はどこか、そこまでのルートはどう行くか、家族と事前に話し合っておきましょう。市区町村のウェブサイトに避難場所の一覧があります。
3. 防災アプリを入れておく
「Safety tips」や「Yahoo!防災速報」をインストールし、プッシュ通知をオンにしておけば、警報が出たときにスマホに通知が届きます。
4. 非常用の持ち出し袋を用意する
水(1人1日3リットル×3日分)、懐中電灯、モバイルバッテリー、常備薬、在留カードのコピーなどを入れた袋を用意しておくと安心です。
FAQ
Q: 「危険警報」と「特別警報」はどう違う?
A: 「危険警報」はレベル4で、「危険な場所にいる人は全員避難」の段階です。「特別警報」はレベル5で、「すでに災害が発生している」段階。レベル5が出てから避難するのでは遅いので、レベル4の段階で避難を完了してください。
Q: 「洪水警報」がなくなったけど、川の氾濫はどう知る?
A: 大きな河川(約400河川)については、河川ごとに「○○川 レベル3 氾濫警報」「○○川 レベル4 氾濫危険警報」が発表されます。中小河川については「大雨警報」に統合されました。
Q: 暴風警報はレベル表示になった?
A: いいえ。暴風・波浪・大雪・暴風雪の警報は今回の変更の対象外で、以前と同じ形式で発表されます。
Q: 警報が出ていない地域でも避難すべき?
A: 自分の判断で早めに避難することは推奨されています。気象庁も「危険を感じたら、警報を待たずに自ら避難することも大切」と呼びかけています。
Q: 多言語で新しい警報の説明を読める?
A: 気象庁の英語ページで基本的な説明が読めます。また、Safety tipsアプリは14言語に対応しており、レベル別の行動指針も確認できます。
まとめ
- ✅ 5月28日から、大雨・河川氾濫・土砂災害・高潮の警報が新しい形式になった
- ✅ すべての警報に「レベル○」の数字が付くようになり、わかりやすくなった
- ✅ 新設の「危険警報」(レベル4)が出たら、全員避難。レベル5を待たない
- ✅ 洪水警報は廃止。大きな川は河川名入りの「氾濫警報」に変更
- ✅ Safety tipsアプリを入れておけば、多言語で警報を受け取れる
日本で暮らしていると、台風や大雨はいつ来るかわかりません。新しい警報の名前を一度おぼえておけば、ニュースを見たときに「自分はいま逃げるべきか、まだ大丈夫か」をすぐに判断できます。本記事で紹介したアプリの登録と、自分の家のハザードマップ(災害の危険がある場所を示した地図)の確認は、台風シーズン本番が来る前にやっておくと安心です。気象庁の新しい情報の出し方に慣れて、自分と家族の身を守りましょう。