日本のスーパーやデパ地下で和菓子売り場の前に立つと、種類の多さに、どれを選べばいいか迷ってしまいます。ピンクの餅、緑の団子、ガラスのように透き通ったゼリー、花の形をした小さな菓子。名前を読めないまま、見た目だけで一つ買ってみたら中身が甘い豆のペーストで驚いた、という経験がある方も多いのではないでしょうか。
和菓子は、米やあずきなど植物の材料で作る日本の伝統的なお菓子です。同じ店でも、春と秋では並ぶ商品がまったく違います。この記事では、洋菓子との違いと基本の用語、代表的な和菓子、季節ごとのカレンダー、日持ちと買い方、茶道での食べ方、東京と京都の老舗、そしてヴィーガンやアレルギーの方が気をつけたい点まで、日本で和菓子を楽しむために知っておきたいことをまとめました。
和菓子と洋菓子のちがい、押さえたい基本用語
原料のちがい
洋菓子はバター、生クリーム、卵、小麦粉が中心です。和菓子の主役は、米、もち米、あずき、寒天、葛粉(くずこ:葛という植物のでんぷん)、栗、ごまなどの植物性の材料です。油脂が少ないので、口に入れたときの重さが軽く、甘さも穏やかなものが多くなります。
ただし、すべての和菓子が植物だけでできているわけではありません。どら焼きやカステラ、饅頭の一部には卵や小麦粉が使われています。食事制限がある方向けの見分け方は、後半の「ヴィーガン・アレルギーの人が気をつけたいこと」で詳しく書きます。
見た目と季節感のちがい
和菓子は、味と同じくらい見た目を大切にします。とくに練り切りは、梅や桜、紅葉、金魚など、季節の風景を手のひらサイズで表現します。食べる前に写真を撮りたくなる人が多いのも、このためです。
季節との結びつきも強く、桜餅は春、水ようかんは夏、栗を使った菓子は秋、花びら餅は1月と、時期によって店頭の顔ぶれが変わります。
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和菓子の歴史を少しだけ
日本の菓子の歴史は古く、紀元前から、木の実を粉にしてアクを抜き、団子にして食べていたとされます。室町時代には、中国から来た林浄因(りんじょういん)が饅頭を伝えたとされます。16世紀ごろからは、ポルトガルやスペインとの行き来を通じて、カステラなどの菓子が長崎に伝わりました。江戸時代には、日本でも砂糖が作られるようになりました。2022年11月17日には、練り切りとこなしを中心とした「菓銘をもつ生菓子」が登録無形文化財に登録されています。
羊羹はもともと、中国で羊の肉を入れた汁物を指す言葉でした。肉を食べない禅宗の僧侶が、小豆など植物性の材料で羊肉に見立てた汁物を作ったと考えられています。それがのちに甘い菓子へ変わり、江戸時代に菓子として定着しました。
毎年6月16日は「和菓子の日」です。848年に、天皇が16の数にちなんだ菓子や餅を神様に供えて健康を祈った「嘉祥(かじょう)」の行事にちなみます。明治時代まで行われていた嘉祥の行事を、いまに復活させた日です。この時期の店先には、夏向けの和菓子が増えてきます。
(参照:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑 菓子類」/虎屋「羊羹について」/全国和菓子協会「和菓子の日」)
あんこが苦手でも大丈夫
あんこは、あずきを砂糖で煮たペーストで、和菓子の味の土台です。豆を甘く煮る食文化になじみがない方には、最初は違和感があるかもしれません。ここで諦めてしまうのはもったいないので、あんこ以外の味もあることを知っておくと選びやすくなります。
- わらび餅やくず餅は黒蜜ときなこ、葛切りは黒蜜で食べる菓子で、あんこを使いません
- みたらし団子は、甘じょっぱいしょうゆ味のたれが主役です
- 金平糖や落雁(らくがん:砂糖と米の粉を固めた干菓子)は、砂糖の甘さそのものを楽しむ菓子です
- どら焼きは、ホットケーキのような生地にあんこを挟んだ形で、洋菓子に近い感覚で食べられます
- 白あんは、白いんげん豆で作るので、あずきのあんこよりまろやかです
基本の用語
和菓子の名前は、材料と形で決まることが多いので、次の言葉を覚えておくと店頭で読みやすくなります。
| 用語 | 意味 | 使われる和菓子 |
|---|---|---|
| 粒あん | 豆の形を残したあんこ。食感がある | 大福、どら焼き |
| こしあん | 豆の皮を取り除いて滑らかにしたあんこ | 上生菓子、饅頭 |
| もち | もち米を蒸してついた、よく伸びる餅 | 大福、桜餅、団子 |
| 求肥(ぎゅうひ) | 白玉粉や餅粉に砂糖と水あめを加えた、やわらかい餅菓子 | 大福、花びら餅 |
| 寒天 | 海藻から作る、固めるための材料。動物由来ではない | 羊羹、錦玉羹 |
| 葛 | 葛の根のでんぷん。透明でつるんとした食感になる | 葛切り、くず餅 |
| 練り切り | 白あんに求肥などを混ぜて、色をつけて形を作った菓子 | 茶席の上生菓子 |
| 最中 | もち米のウエハースにあんこを挟んだ菓子 | 和菓子店の最中など |
代表的な和菓子14種と選び方

大福
丸い餅の中にあんこを包んだ、いちばん手に取りやすい和菓子です。いちご大福は、まるごと入った苺の酸味があんこの甘さを引き締めてくれるので、あんこに慣れていない人の入口としても向いています。冬から春にかけて店頭に出る季節の商品ですが、いまは通年で売る店も増えています。ほかに豆大福、塩大福、抹茶大福などがあります。
どら焼き
卵と小麦粉の生地を丸く焼いて、あんこを挟んだ菓子です。アニメの「ドラえもん」の好物として、日本以外でもよく知られています。コンビニでも売っているので、いちばん試しやすい和菓子のひとつです。
団子
米粉の団子で、みたらし、よもぎ、三色団子などの種類があります。みたらし団子は、しょうゆと砂糖のたれをからめた団子で、あんこが苦手な人にも食べやすい味です。秋の月見団子は、中秋の名月(旧暦8月15日ごろ)に月へ供える白い団子です。
おはぎ(ぼたもち)
もち米とうるち米を混ぜて炊いて軽くつぶし、あんこやきなこで包んだ菓子です。春と秋のお彼岸(3月と9月に行う先祖供養の期間)に食べる習慣があります。春は牡丹の花にちなんで「ぼたもち」、秋は萩の花にちなんで「おはぎ」と呼ぶという説があります。
饅頭
小麦粉やもち米粉の皮であんこを包んで蒸した菓子で、温泉地のおみやげでよく見かける、あの丸い菓子です。皮に小麦粉を使うものが多いので、小麦アレルギーの方は表示を確認してください。
わらび餅
わらび粉(わらびという植物の根のでんぷん)で作る、とろんとした食感の餅です。きなこと黒蜜(黒砂糖のシロップ)をかけて食べます。店頭では夏によく見かけます。わらび粉が高いため、片栗粉やくず粉で作ったものも多く売られています。
葛切りとくず餅
葛でできた透明な麺が葛切りで、冷やして黒蜜をつけて食べます。くず餅は、葛を練って固めた餅で、きなこと黒蜜が定番です。どちらも涼しげで、暑い日に食べたくなります。
桜餅
春を代表する和菓子で、塩漬けの桜の葉で餅を包みます。じつは東と西で姿が違います。
| 関東風(長命寺) | 関西風(道明寺) | |
|---|---|---|
| 皮 | 小麦粉の生地を薄く焼いたクレープ状 | 道明寺粉(蒸したもち米を乾かして粗くひいたもの)の粒が残る |
| 食感 | しっとりやわらかい | もちもち、つぶつぶ |
| 形 | あんこを巻く | あんこを丸く包む |
関東風は、江戸時代の1717年に、山本新六が隅田川のほとりにある長命寺の門前で売り出したのが始まりとされます。山本新六の店は、いまも東京の向島にあります。桜の葉は食べても外して食べても構いません。塩気と香りがあるので、葉ごと食べると、あんこの甘さが引き締まります。
(参照:国立国会図書館「NDL イメージバンク 桜餅」/長命寺桜もち 山本や)
春の桜の季節の楽しみ方は、次の記事にまとめています。
柏餅
5月5日の端午の節句(子どもの日)に食べる、柏の葉で包んだ餅です。柏は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちない木なので、家が絶えない縁起物とされます。葉は食べずに外します。
水ようかんと羊羹
羊羹は、あんこを寒天で固めた、ずっしりしたブロック状の菓子です。水分が少ない練り羊羹は日持ちがよく、お土産にも向いています。水ようかんは、水分が多くてやわらかく、冷やして夏に食べます。
栗まんじゅうと栗羊羹
秋の味覚の栗を、あんこと一緒に皮で包んだのが栗まんじゅうです。栗の粒がごろごろ入った栗羊羹も秋に出回ります。
練り切り
白あんを色づけして、花や果物、風景の形に仕上げた菓子です。茶席に出る高級な生菓子を上生菓子(じょうなまがし)といい、練り切りはその代表です。季節によって形がかわります。店頭に並ぶ小さな芸術品のようなもので、食べるのがもったいなくなります。
金平糖
星のようにとげがある小さな砂糖菓子です。16世紀にポルトガルから伝わったとされ、織田信長に贈られたという話もあります。日持ちがとてもよく、軽くて割れにくいので、持ち帰りやすい点も魅力です。
きんつば
四角く固めたあんこを、小麦粉の薄い皮で包んで焼いた菓子です。見た目は素朴ですが、あんこそのものの味がはっきり出ます。
目的別おすすめ早見表
種類が多くて選べないときは、次の表から探してみてください。
| こんなとき | おすすめ | 理由 | 買える場所 |
|---|---|---|---|
| 初めて試す | いちご大福、どら焼き | 食感がやわらかく、あんこの味がなじみやすい | コンビニ、スーパー、デパ地下 |
| あんこが苦手 | わらび餅、みたらし団子、金平糖 | あんこを使わない | スーパー、和菓子店 |
| 甘さ控えめがいい | 塩大福、練り羊羹の小さめサイズ | 塩気や素材の味がある | 和菓子店、デパ地下 |
| 暑い日に食べたい | 水ようかん、葛切り、水まんじゅう | 冷やして食べる | デパ地下、和菓子店 |
| 写真を撮りたい | 練り切り | 季節の形を楽しめる | 和菓子店、デパ地下 |
| 職場のお土産 | 個包装の最中、羊羹の詰め合わせ | 日持ちして配りやすい | デパ地下、駅の売店 |
| 海外に持ち帰る | 金平糖、干菓子、真空パックの羊羹 | 常温で長く持つ | デパ地下、空港 |
| 子どもと一緒 | どら焼き、団子、金平糖 | あんこが苦手でも食べやすい | コンビニ、スーパー |
季節の和菓子カレンダー
和菓子は、季節の行事と一緒に楽しむと、味が深く感じられます。同じ店でも月が変わると商品が入れ替わるので、いつ行っても同じものが並ぶ洋菓子店との違いを感じられます。
| 季節 | 和菓子 | ひとこと |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 桜餅、草餅、いちご大福、柏餅 | 草餅はよもぎを練りこんだ緑色の餅。5月5日には柏餅 |
| 夏(6〜8月) | 水ようかん、葛切り、わらび餅、水無月 | 水無月は京都で6月30日ごろに食べる、三角形のういろうに小豆をのせた菓子。小豆で邪気を払うとされる |
| 秋(9〜11月) | おはぎ、月見団子、栗まんじゅう、栗羊羹 | 9月のお彼岸にはおはぎ、中秋の名月には月見団子 |
| 冬(12〜2月) | 花びら餅、ぜんざい、柚子羊羹 | 花びら餅は白みそあんとごぼうを餅で包んだ、お正月の菓子 |
花びら餅は、宮中のお正月の行事に由来するとされ、1月の茶道の初釜(その年の最初の茶会)でもよく出されます。白みそとごぼうの組み合わせは、初めての人には少しふしぎな味ですが、塩気があるので意外と食べやすいという声が多く聞かれます。
春の日本で暮らす方は、3月から4月にかけて、桜餅を食べながら桜の下を歩いてみてください。一つ食べるだけで、季節が変わったと実感できます。
日持ちと買い方、お土産にするときのポイント
生菓子・半生菓子・干菓子の日持ち早見表
和菓子は、水分量で3つに分けると、日持ちを判断しやすくなります。
| 種類 | 水分の目安 | 日持ち | 例 |
|---|---|---|---|
| 生菓子(なまがし) | 30%以上 | 当日から2〜3日 | 大福、練り切り、桜餅、団子 |
| 半生菓子(はんなまがし) | 10〜30% | 数日から2週間ほど | 最中、羊羹、栗きんとん |
| 干菓子(ひがし) | 10%以下 | 数週間から数か月 | 金平糖、落雁、せんべい |
表の水分量は目安です。店や資料によって分け方が少し違うので、迷ったときは店員さんに日持ちを聞いてください。
餅を使った生菓子は、時間がたつと固くなります。そのため、朝に作ってその日のうちに売る「朝生菓子」という呼び方があります。生菓子は、買った日に食べるつもりで選んでください。冷蔵庫に入れると餅が固くなってしまうので、買ってすぐ食べられない場合は、店員さんに「今日中に食べたほうがいいですか」と聞くと、食べごろを教えてもらえます。
お土産にするとき
日本の和菓子店やデパートでは、贈り物として包むときに、のし紙(贈る目的を書いた紙)をつけてもらえます。お土産や手土産の場合は、店員さんに「手土産です」と伝えれば、ふさわしい包み方にしてくれます。
職場への手土産は、個包装で、日持ちして、配りやすいものが喜ばれます。最中や焼き菓子系の和菓子がその条件に合います。
渡し方やタイミング、相場については、日本のおみやげ・贈り物文化の解説をあわせて読んでみてください。
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海外に持ち帰るとき
日持ちがする干菓子、真空パックの羊羹、缶入りの最中は、スーツケースにも入れやすい選択肢です。反対に、大福や練り切りのような生菓子は、飛行機に乗っている間に傷んでしまうので、持ち帰りには向きません。国によっては、食品や植物由来の製品を持ち込めない場合があります。出発前に、持ち込む国の税関の情報を確認しておくと安心です。
コンビニで買う和菓子
コンビニにも、大福、どら焼き、団子などの和菓子が並んでいます。手軽に試したいときは、コンビニで買える食べ物のガイドも見てみてください。値段が手ごろなので、専門店の和菓子を買う前の味見に向いています。
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茶道と和菓子、食べ方のマナーと体験
先に甘いものを食べる理由
茶道では、濃い抹茶をいただく前に、和菓子を食べます。口の中に甘さが残っているところで抹茶を飲むと、苦みがやわらいで、茶の風味がよく感じられます。抹茶の前に甘い菓子、という順番は、茶席で長く続く決まりです。
茶席での食べ方
- 和菓子は、懐紙(かいし:持ち歩く小さな和紙)にのせて受け取ります
- 黒文字(くろもじ:木で作った楊枝)で、一口ぶんずつ切って食べます
- 食べ終わったら、懐紙で黒文字を包んで持ち帰ります
茶席に慣れていない場合は、わからなくなったらまわりの人の動きを見ながらまねしても構いません。細かい作法を知らなくても、亭主(茶席を開く人)が教えてくれる場面は多くあります。
体験できる場所
東京や京都には、練り切りを自分で作る体験教室があります。英語に対応した教室もあり、日本語が得意でなくても参加できます。予約するときは、教室の公式サイトで言語対応と持ち物を確認しておくと安心です。茶道体験で、和菓子と抹茶のセットを出してくれるカフェや茶室もあります。
YOLO JAPANが運営する「YOLO DISCOVER」では、飲食や日本文化などの体験に無料で参加して、感想をSNSで紹介できます。予約ではなく、応募して選ばれた人が参加する仕組みです。和菓子作りや茶道の体験がいつも募集されているわけではないので、会員登録をして、いま募集している体験を見てみてください。
自宅で簡単に作る
白玉粉を使うと、電子レンジだけで大福のようなお菓子が作れます。あるレシピでは、白玉粉100g、砂糖20g、水120mlを耐熱容器に入れてよく混ぜ、ふんわりラップをして600Wで2分30秒加熱します。よく混ぜてからもう一度ラップをして、600Wで30秒加熱し、ダマがなくなるまで混ぜます。できた餅で、市販のあんこを包めば、大福風のおやつができあがります。
(参照:DELISH KITCHEN「香ばしい風味♪ ごま大福」)
東京・京都のおすすめ老舗
老舗は、営業時間や販売日が変わることがあります。出かける前に、各店の公式サイトで確認してください。
東京
| 店名 | 特徴 | ここがポイント |
|---|---|---|
| 虎屋 赤坂店 | 室町時代後期に京都で創業し、1869年の東京遷都にあわせて東京にも店を出した老舗 | 2018年に建て替えられた赤坂店には、売り場のほかに喫茶の「虎屋菓寮」があり、和菓子と抹茶を座って楽しめる |
| 長命寺桜もち 山本や(向島) | 1717年に長命寺の門前で桜もちを売り出した店 | 桜の葉で包んだ関東風の桜餅。営業日は公式サイトのカレンダーで確認する |
| 榮太樓總本鋪(日本橋) | 1818年創業の老舗 | ごま油を引いた銅板で焼く金鍔と、形が梅干しに似た飴「梅ぼ志飴」で知られる |
(参照:虎屋/長命寺桜もち 山本や/榮太樓總本鋪/榮太樓總本鋪「榮太樓の200年史」/榮太樓總本鋪「金鍔」/榮太樓總本鋪「梅ぼ志飴」)
京都
| 店名 | 特徴 | ここがポイント |
|---|---|---|
| 鶴屋吉信 | 1803年創業。本店は今出川通の堀川西入るにある | 大正9年に生まれた「京観世」を、いまも職人が手作業で巻き上げている。代表の菓子として知られる |
| 笹屋伊織 | 1716年創業 | 竹の皮で包んだ棒状のどら焼きは、毎月20日・21日・22日の3日間だけ販売。早めに行く必要がある |
| 老松(おいまつ) | 1908年(明治41年)創業 | 商品や販売時期は年によって変わるので、公式サイトで確認してください |
(参照:鶴屋吉信/鶴屋吉信「京観世」/笹屋伊織/京都府「笹屋伊織」/老松)
笹屋伊織のどら焼きは、一般に売られている丸い形のどら焼きとは別物です。しっとりした薄い皮であんこを巻いた棒状で、店で売るのは月に3日だけなので、京都の旅行の日程に合わせて選ぶ人もいます。
ヴィーガン・アレルギーの人が気をつけたいこと
和菓子は、植物由来の材料が多いので、ヴィーガンやベジタリアンの人にも選びやすいと思われがちです。ただ、すべてが対象というわけではないので、次の点を確認してください。
| 気をつけたい材料 | 使われやすい和菓子 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| 小麦 | どら焼き、饅頭、きんつば | 皮に小麦粉を使う |
| 卵 | どら焼き、カステラ、一部の饅頭 | 生地に卵を使う |
| 乳 | 洋風の和菓子、クリーム入りの大福 | 生クリームや練乳が入る |
| ゼラチン | ゼリー状の菓子、一部の水ようかん | 羊羹や葛の菓子は寒天のことが多いが、商品による |
| 酒 | 酒饅頭、甘酒を使った菓子 | 酒やみりんを使う。アルコールを避けたい人は注意 |
| 大豆、ごま、ナッツ | きなこ、練りごま、栗やくるみ入りの菓子 | 表示を確認する |
食品表示の決まりでは、小麦、卵、乳などは、含んでいる場合に表示が義務づけられています。包装の裏側にある原材料名のあたりに、これらの名前が書かれているので、買う前にスマートフォンの翻訳アプリで確認する方法もあります。専門店で量り売りをしているときは、店員さんに「卵と乳を使っていますか」と聞いてみてください。
(参照:消費者庁「食品表示」アレルギー表示)
和菓子の中では、羊羹(寒天で固めたもの)、わらび餅、葛切り、落雁のように、卵や乳を使わないものが選びやすいです。ただ、同じ名前の和菓子でも、店によって材料が違うことがあります。迷ったときは、買う前に店員さんへ質問する習慣をつけておくと安心です。
ヴィーガン向けの食事全般については、次の記事も参考にしてください。
FAQ
Q: 初めて食べるなら、どの和菓子がいいですか?
A: いちご大福かどら焼きがおすすめです。やわらかくて食べやすく、あんこの味にも慣れやすい組み合わせです。コンビニやスーパーでも手に入ります。
Q: あんこが苦手でも楽しめる和菓子はありますか?
A: あります。わらび餅、葛切り、みたらし団子、金平糖、落雁は、あんこを使わない和菓子です。白あんは、あずきのあんこより味がやわらかいので、そこから試す方法もあります。
Q: 和菓子はヴィーガン・ベジタリアンやアレルギーがある人でも食べられますか?
A: 植物由来の材料が多く、羊羹、わらび餅、葛切りは比較的選びやすいです。ただし、どら焼きやカステラには卵や小麦粉が、一部の菓子にはゼラチンや乳が使われています。購入前に原材料表示を確認し、店頭で買うときは店員さんに「卵や乳は使っていますか」と聞いてください。
Q: 和菓子はどこで買えますか?
A: 和菓子専門店、デパ地下、スーパーの和菓子売り場、コンビニで買えます。上生菓子や季節の商品は、専門店やデパ地下が品ぞろえに優れています。
Q: 茶道を体験しなくても、和菓子だけ楽しめますか?
A: もちろんです。和菓子と抹茶のセットを出してくれるカフェや、店内で食べられる和菓子店があります。虎屋の赤坂店にある虎屋菓寮のような店では、座って落ち着いて味わえます。
Q: 子どもに人気の和菓子は何ですか?
A: どら焼き、団子、金平糖、いちご大福などが人気です。のどに詰まらせないように、餅や団子は小さく切って食べさせてください。
Q: 生菓子は翌日でも食べられますか?
A: 買った日に食べるのがいちばんおいしいです。餅や練り切りは、時間がたつと固くなったり乾いたりします。翌日になる場合は、店員さんに食べる期限を聞いてから買ってください。
まとめ
和菓子の世界は、少しずつ知るほどおもしろくなります。まずは身近なところから試してみてください。
- ✅ 迷ったら、いちご大福かどら焼きから始める
- ✅ あんこが苦手でも、わらび餅や団子、金平糖ならあんこなしで楽しめる
- ✅ 生菓子はその日のうちに食べる。お土産には最中、羊羹、干菓子を選ぶ
- ✅ 季節を意識して、春は桜餅、夏は水ようかん、秋は栗、冬は花びら餅を一度は食べてみる
- ✅ 食事制限やアレルギーがある場合は、原材料表示を確認するか店員さんに質問する
- ✅ 時間があれば、虎屋菓寮のような店で、和菓子と抹茶を座って味わう
和菓子は、見た目、香り、食感、味の順に、ゆっくり味わう菓子です。季節ごとに店先をのぞいてみると、日本で暮らす楽しみがまた一つ増えます。