はじめに
スーパーの肉・魚コーナーにあったロール式のポリ袋が、ある日突然なくなっていた。ゴミ袋を買おうとしたら棚がほとんど空で、「お一人様2点まで」の貼り紙。最近こんな場面に遭遇した人は少なくないはずです。
原因は、中東情勢の悪化によるナフサ(プラスチックの原料)の供給不足です。ポリ袋やゴミ袋だけでなく、食品トレーやラップなど、プラスチック製品全般に影響が広がりつつあります。
この記事では、何が起きているのか、ゴミ出しはどうすればいいのか、今後の見通しと家計への影響を整理します。
この記事でわかること
- スーパーのポリ袋撤去・ゴミ袋品薄の原因と現状
- 指定ゴミ袋が買えないときの自治体の対応
- ゴミ袋・日用品の値上げ幅と家計への影響
- 今後の見通しと、今できる対策
免責事項: 本記事は経済産業省・JETRO・各自治体の2026年4〜5月時点の発表をもとに整理しています。状況は流動的で、地域によって異なります。
何が起きている?ポリ袋が消えた理由
原料「ナフサ」の供給不足
ナフサとは、原油から作られる化学原料です。ポリ袋、ゴミ袋、食品トレー、ラップフィルムなど、日常生活で使うプラスチック製品のほとんどがナフサから作られています。
日本はナフサの約74%を中東から輸入しています。2026年に入り、中東情勢の緊迫化でホルムズ海峡の通航に支障が出たことで、ナフサの輸入量が急減しました。
(参照:JETRO ビジネス短信 — 3月の石油化学製品の生産減)
国内の生産も大幅減
原料が入ってこなくなった結果、国内のプラスチック生産量は3月に前年比で大きく落ち込みました。
| 製品 | 前年同月比 |
|---|---|
| エチレン | 39%減 |
| 低密度ポリエチレン | 41%減 |
| 高密度ポリエチレン | 62%減 |
| ポリプロピレン | 28%減 |
(参照:JETRO ビジネス短信 — 3月の石油化学製品の生産減)
メーカーは受注制限や納期未定の対応を取っており、スーパーや小売店への入荷が滞っています。
(参照:包装技術ねっと — ナフサ品薄の影響)
スーパーの無料ポリ袋が撤去に
北海道をはじめ、各地のスーパーで肉・魚売場のロール式ポリ袋が撤去されています。生鮮品をレジで袋に入れるサービスは続ける店が多いですが、客が自由に使えるポリ袋はなくなりつつあります。
ゴミ袋も店頭で品薄が続き、購入制限を設けている店舗も出ています。
指定ゴミ袋が買えない — 自治体の対応
指定ゴミ袋の品薄に対し、一部の自治体がルールを一時的に緩和しています。
| 自治体 | 対応内容 | 期間 |
|---|---|---|
| 宮城県大崎市ほか1市4町 | 市販の透明・半透明袋(30〜45L)でのゴミ出しを許可 | 2026年4月20日〜約1カ月 |
| 茨城県龍ケ崎市 | 指定袋が品切れの場合、市販の透明・半透明・乳白色袋を許可 | 2026年4月27日〜6月30日(延長の可能性あり) |
自分の住む市区町村のゴミ出しルールが変更されていないか、自治体のウェブサイトで確認しましょう。多くの自治体が臨時対応を発表し始めています。
指定ゴミ袋を使う地域に住んでいて袋が手に入らない場合は、収集を担当する窓口に電話で相談するのが確実です。ゴミの分別ルール自体がわからないという方は、日本のゴミ出しルール完全ガイド も合わせて確認してください。
値上げはどのくらい?家計への影響
ポリ袋やゴミ袋の値上げはすでに始まっています。
- ゴミ袋・食品保存袋: 2026年5月下旬出荷分から30%以上の値上げ。45L(50枚入り)で100〜200円程度の上昇
- ポリエチレン原料: メーカー各社が90円/kg以上の価格改定を発表
ゴミ袋だけでなく、食品トレー、ラップ、洗剤ボトル、シャンプーボトルなどプラスチックを使う日用品全般にも値上げが波及する可能性があります。4人家族の場合、プラスチック関連の値上げだけで年間1.8万〜2.6万円程度の家計負担増になるとの試算もあります。
(参照:野村総合研究所 — 日用品の価格上昇はもう始まっている)
今後の見通し
2026年5月現在、ナフサ不足の根本原因であるホルムズ海峡の通航問題は解決していません。
ただし、政府は対策を進めています。
- 代替調達: 米国・アルジェリア・ペルーなど中東以外からのナフサ輸入を拡大中。5月には中東外からの輸入量が約3倍になる見込み
- 備蓄の活用: 化学品全体で国内需要の約4カ月分の在庫は確保されている
(参照:JETRO ビジネス短信 — 3月の石油化学製品の生産減)
急激な悪化は避けられる見通しですが、完全に元に戻るには時間がかかりそうです。
今できる対策
1. 買い占めはしない
在庫は存在しています。パニック買いが品薄を加速させる最大の原因です。必要な分だけ購入しましょう。
2. 自治体のゴミ出しルール変更を確認する
お住まいの自治体サイトを確認してください。指定袋以外でのゴミ出しが認められている場合があります。
3. エコバッグ・再利用できる袋を活用する
スーパーのポリ袋がなくなったぶん、保冷バッグやジッパー付き袋など、洗って再利用できるものがあると便利です。
4. 値上げに備えて家計を見直す
プラスチック関連の値上げは日用品全体に広がっています。【2026年版】日本の生活費リアル で生活費全体の見直しポイントもチェックしてみてください。
ドラッグストアやホームセンターのプライベートブランド(PB)のゴミ袋は、ナショナルブランドより在庫が残っていることがあります。複数の店舗を回る前にPB商品を確認してみましょう。
FAQ
Q. ポリ袋がなくなったのはレジ袋有料化と関係ある?
A. いいえ。2020年のレジ袋有料化とは別の問題です。今回は原料のナフサ不足が原因で、無料のロール式ポリ袋や市販のゴミ袋まで品薄になっています。
Q. ゴミ袋の品薄はいつまで続く?
A. 現時点では終息時期は不明です。ホルムズ海峡の通航問題が解決しない限り、数カ月単位で続く可能性があります。ただし代替調達が進んでおり、急激な悪化は避けられる見通しです。
Q. 指定ゴミ袋以外で出したらゴミを回収してもらえない?
A. 自治体によります。臨時対応として市販の透明袋を認めている自治体も出ています。お住まいの自治体のウェブサイトか、ゴミ収集の窓口に確認しましょう。
Q. ナフサ不足で食品の値段も上がる?
A. 可能性があります。食品トレーや包装フィルムのコスト上昇が食品価格に転嫁される動きが出始めており、弁当・総菜・カップ麺など、プラスチック包装を多く使う商品から影響が及ぶ可能性が指摘されています。
まとめ
- ✅ 自分の自治体のゴミ出しルール変更を確認する(市販の袋が使える臨時対応が出ている地域あり)
- ✅ ゴミ袋の買い占めはしない。在庫は存在しており、パニック買いが品薄を悪化させる
- ✅ プラスチック関連の値上げは数カ月続く可能性があり、日用品全般への波及にも備えて家計見直しを早めに始める
- ✅ 自治体サイトと経済産業省の発表を定期的にチェックして、最新の対応状況を把握する