最終更新日: 2026年4月21日
読了時間: 約12分
カテゴリー: ビザ・法務
はじめに
「特定在留カードって、実際のところ作った方がいいの?」——2026年6月の運用開始を前に、こんな迷いを抱えている方は多いのではないでしょうか。ニュースで「便利になる」とは聞くけれど、実際にどんなメリットがあって、どんな落とし穴があるのかは意外と整理されていません。私たち在日外国人にとって、ビザ関連のカードは生活の土台。安易に切り替えて後悔したくないですよね。
この記事では、特定在留カードのメリットとデメリットを比較表で一目で把握できるようにまとめ、さらに「ビザ更新が近い人」「引っ越し予定の人」「マイナンバーカードをまだ持っていない人」など、ケース別に作るべきかどうかの判断基準をお伝えします。読み終わる頃には、自分にとっての最適解が見えているはずです。
TL;DR(この記事でわかること)
- メリットは、ビザ更新や引っ越しの手続きが一度で済み、カードも1枚にまとまって日常がラクになる
- デメリットは、交付に時間がかかり、紛失したときのダメージが2倍に膨らむ
- ビザ更新が半年以内の人は切り替えメリット大。更新が1年以上先なら急ぐ必要なし
- マイナンバーカードをまだ持っていない人は、そもそも申請できない
免責事項: この記事は2026年4月21日時点の情報に基づいています。最新情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、法的助言ではありません。
この記事ではメリットとデメリットの比較に特化して、「自分は作るべきか?」を判断するための情報をお届けします。
メリットとデメリットの一覧比較
まずは全体像を把握しましょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 手続き | ビザ更新とマイナンバー更新がワンストップ | オンライン申請に非対応(窓口のみ) |
| カード管理 | 2枚→1枚で管理がシンプルに | 紛失すると2つの機能が同時にダウン |
| 引っ越し | 転入届と同時にマイナンバー情報も更新 | — |
| 身分証明 | 1枚でより幅広い本人確認に対応 | — |
| 交付速度 | — | 通常の在留カードより約10日長くかかる |
| 特例期間 | — | マイナンバー機能が期限切れで失効するリスク |
一見するとメリットの方が多く見えますが、デメリットの1つひとつは影響が大きいものもあります。それぞれ掘り下げていきましょう。
メリットを深掘り
メリット1: 入管でビザ更新+マイナンバー更新がワンストップ
これが最大のメリットで、多くの人にとって切り替えの決め手になるポイントです。
今までの流れはこうでした。ビザの在留期間を更新するために入管に行って、新しい在留カードを受け取る。でも、マイナンバーカードに記録されている在留期間情報も古いままだから、別の日に市役所や区役所にも足を運ばないといけない。
「なんで同じ情報の更新に2回も別の場所に行かなきゃいけないの?」と思ったこと、ありませんか?
特定在留カードなら、入管でビザの更新手続きをした時点でマイナンバーカード情報も自動的に最新化されます。市役所への追加訪問は不要。仕事で平日の休みが取りにくい人にとっては、これだけで切り替える価値があります。
メリット2: 財布の中のカードが1枚減る
在留カードの常時携帯義務は、16歳以上の中長期在留者であれば避けられません。一方で、マイナンバーカードも銀行や携帯ショップでの本人確認、確定申告、各種オンライン手続きで出番が増えています。
2枚を常に持ち歩くのは、地味に気を使うもの。特に財布ごと紛失した場合、2枚同時に再発行手続きをする羽目に……という最悪のシナリオを考えると、最初から1枚にまとめておく方がリスク管理としては合理的、という考え方もできます。
ただし、後ほど説明しますが、これは裏を返せばデメリットにもなります。
メリット3: 引っ越し時の手続きがスムーズ
日本で引っ越しをするとき、外国人はやることが本当に多い。転出届、転入届、在留カードの住所変更、マイナンバーカードの住所変更。全部別の窓口で別の書類を出す。
特定在留カードを持っていれば、市区町村で転入届を出すだけでカード内のマイナンバー情報も同時に更新される仕組みです。手続きが1つ減るだけで、引っ越し当日の区役所での滞在時間がかなり短くなります。
メリット4: 身分証明のカバー範囲が広がる
「在留カードを見せたら、『マイナンバーカードも出してください』と言われた」
こんな経験をしたことがある方は少なくないと思います。ホテルのチェックイン、携帯電話の契約、銀行口座の開設。本人確認のシーンで、在留カードだけでは不十分とされるケースが増えています。
特定在留カードはマイナンバーカードとしても機能するため、1枚で幅広い場面の本人確認に対応できます。毎回「もう1枚出してください」と言われるストレスが減るのは、日常生活で実感しやすいメリットです。
デメリットを深掘り
デメリット1: 交付まで約10日長くかかる
通常の在留カードは、入管の窓口で手続きが完了すればその場で即日交付されるケースもあります。しかし特定在留カードは、マイナンバーカード機能のセットアップが必要なため、交付までに約10日ほど余分に時間がかかるとされています。
ビザの更新審査自体に1〜3ヶ月かかることを考えれば、+10日はそこまで大きくないと感じるかもしれません。ただし、カードが手元にない期間が長くなるのは事実。その間の身分証明手段をどうするかは事前に確認しておきましょう。
審査期間中の身分証明には、入管から発行される「申請受付票」や、パスポートと仮放免許可書を組み合わせて対応できる場合があります。詳細は管轄の入管に事前確認しておくと安心です。
デメリット2: 紛失すると2つの機能が同時にダウンする
これが最も影響の大きいデメリットです。
在留カードとマイナンバーカードを別々に持っている場合、片方を紛失してもう片方は手元に残ります。でも特定在留カードを紛失すると、在留カードもマイナンバーカードも両方が一度になくなることを意味します。
再発行手続きも複雑になります。マイナンバー機能の一時停止(フリーダイヤル0120-95-0178)、警察への届出、入管での再交付申請と、複数のステップを14日以内にこなす必要があります。
デメリット3: オンライン申請に非対応
2026年4月時点では、特定在留カードの交付申請はオンラインで行うことができません。 入管の窓口に直接行く必要があります。
通常のビザ更新は、マイナンバーカードを使ったオンライン申請が可能になっていますが、特定在留カードを選ぶと窓口申請が必須になります。今後オンライン対応が拡大される可能性はありますが、現時点では窓口のみ。入管の窓口の混雑ぶりを知っている人にとっては、ここがネックになるかもしれません。
デメリット4: 「特例期間」に入るとマイナンバー機能が失効するリスク
ビザ更新の審査が長引いて、在留期間の満了日を過ぎてしまった場合、「特例期間」(最大2ヶ月)に入ります。この間も在留カードとしての機能は有効ですが、マイナンバーカード機能は有効期限が切れてしまう可能性があります。
もしマイナンバー機能が失効すると、結局その延長手続きのために市区町村の窓口に行かなければなりません。「入管1回でワンストップ」というメリットが、タイミング次第では享受できなくなるわけです。
この問題を回避するには、ビザの更新を在留期限の3ヶ月前には申請することが重要です。カレンダーに期限の3ヶ月前のリマインダーを設定しておくと安心です。
【ケース別】あなたは今すぐ作るべき?判断フローチャート
メリットとデメリットを理解した上で、「じゃあ自分はどうすればいい?」をケース別に整理しました。
今すぐ作った方がいい人
| ケース | 理由 |
|---|---|
| ビザの更新が半年以内に迫っている | 更新のついでに切り替えられるので追加の手間がほぼゼロ |
| 引っ越し予定がある | 転入届と同時に申請できる。住所変更手続きが1つ減る |
| マイナンバーカードの更新時期も近い | どうせ更新するなら1枚にまとめた方が今後の管理がラク |
| 本人確認のたびに2枚出すのが面倒に感じている | 日常的なストレスが解消される |
まだ急がなくていい人
| ケース | 理由 |
|---|---|
| ビザ更新が1年以上先 | わざわざ切り替えのためだけに入管に行く必要はない |
| マイナンバーカードを持っていない | そもそも申請の前提条件を満たしていない。先にマイナンバーカードの取得が必要 |
| オンライン申請でビザ更新したい | 特定在留カードはオンライン非対応。窓口訪問が追加で発生する |
| 普段マイナンバーカードをほとんど使わない | 1枚にまとめるメリットが薄い。2枚持ちでも困らない |
迷ったら「次のビザ更新まで待つ」をお勧めします。特定在留カードの取得は任意であり義務ではないので、焦る必要はありません。
よくある質問(FAQ)
Q: メリットが大きいのはどんな在留資格の人?
A: 就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)で、1年や3年ごとにビザ更新がある人は特にメリットが大きいです。更新のたびに入管と市役所を往復していた手間が解消されます。逆に、永住者は在留カードの更新が7年に1度なので、切り替えの恩恵を感じる機会が少なめです。
Q: デメリットを避ける方法はある?
A: 最も影響の大きい「紛失リスク」については、スマートフォンにマイナンバーカード機能を搭載する方法も今後普及していく見込みです。ただし2026年4月時点では外国人への対応状況が限定的なので、最新情報の確認が必要です。「特例期間リスク」は、ビザの更新を3ヶ月前に申請することでほぼ回避できます。
Q: 一度作ったら元に戻せる?
A: はい。特定在留カードのマイナンバーカード機能を返納することは可能です。返納した場合、在留資格が有効であれば通常の在留カードが新たに交付されます。「試しに作ってみたけど合わなかった」という場合でも、取り返しのつかない選択ではありません。
まとめ: 「次の更新タイミング」がベストな切り替え時
メリットとデメリットを比較してみると、「ワンストップで手続き完了」という利便性と「紛失時のリスク増大」「オンライン非対応」という不便さのバランスが見えてきます。
結論として、多くの人にとって最適な判断は:
- ビザ更新や引っ越しが近い → そのタイミングで切り替え
- どちらも当分先 → 焦らず情報収集を続けて、次の更新時に改めて検討
制度はスタートしたばかりなので、オンライン対応の拡大や手続きの改善は今後期待できます。大切なのは、自分のスケジュールと照らし合わせて、メリットが最大化されるタイミングを選ぶこと。
特定在留カードの制度全体の解説は特定在留カード完全ガイド、取得が義務かどうかの詳しい解説は特定在留カードは義務?任意?をあわせてどうぞ。