特定在留カードは義務?任意?「作らなきゃダメ?」の不安を法的根拠からスッキリ解消

Published: 2026年4月22日
特定在留カードは義務?任意?「作らなきゃダメ?」の不安を法的根拠からスッキリ解消
Visa & Legal

最終更新日: 2026年4月21日
読了時間: 約10分
カテゴリー: ビザ・法務

はじめに

「特定在留カードって、作らないとダメなの?」「会社から作るように言われたけど、断れるの?」——2026年6月の運用開始が近づくにつれ、こうした不安の声が増えてきました。私たち在日外国人にとって在留カードの扱いはデリケートな問題。うっかり手続きを間違えて在留資格に影響が出たら…と心配になる気持ち、よくわかります。

結論から言うと、特定在留カードの取得はあくまで「任意」です。この記事では、なぜ任意なのかという法的根拠、会社や学校から求められたときの対応、そして「任意でも作った方がいい人/作らなくても困らない人」の見分け方まで、不安を一つずつ解消していきます。来日して間もない方も、長く日本に住んでいる方も、自分に合った判断ができるようになる内容です。

TL;DR(この記事でわかること)

  • 特定在留カードの取得は任意。法律上の義務ではない
  • 根拠: マイナンバーカード自体が任意 → それを内蔵する特定在留カードも当然任意
  • 会社や学校に「作って」と言われても、法的な強制力はない
  • 任意でも、ビザ更新が近い人は切り替えた方が手続きがラクになるケースあり
  • 今持っている在留カードは有効期限までそのまま使える。焦る必要なし
📝 Note

免責事項: この記事は2026年4月21日時点の情報に基づいています。最新情報は出入国在留管理庁の公式サイトでご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、法的助言ではありません。


メリット・デメリットの詳しい比較はメリット・デメリット徹底比較でまとめています。この記事では「義務なのか?任意なのか?」という一点に絞って、不安を解消します。


結論: 特定在留カードの取得は「任意」です

最初にしっかりとお伝えします。

特定在留カードの取得は任意であり、義務ではありません。

「全員切り替えなさい」という制度ではないので、今まで通り在留カードとマイナンバーカードを別々に持ち続けてもまったく問題ありません。在留資格や在留期間に影響を与えることも一切ありません。

💡 Key Point

特定在留カードの取得は法律上の義務ではありません。切り替えない場合でも、在留資格・在留期間への影響はゼロです。


なぜ「任意」なのか?法的な理由

「任意って本当?後から義務化されたりしない?」と不安に思う方もいるかもしれません。任意である理由を、法的な根拠から説明します。

理由1: マイナンバーカード自体が任意だから

これが最もシンプルで強い根拠です。

日本のマイナンバー制度では、マイナンバー(個人番号)は全住民に付与されますが、マイナンバーカードの取得は任意とされています。これは日本人でも外国人でも同じです。

特定在留カードは「在留カードにマイナンバーカード機能を付加したもの」なので、マイナンバーカードの取得が任意である以上、特定在留カードの取得も任意になります。

(参照: マイナンバーカード総合サイト「マイナンバーカードは必ず申請しなければいけませんか?」

理由2: 入管法改正でも「申請することができる」と規定

2024年の入管法改正(在留カードとマイナンバーカードの一体化に関する改正)では、特定在留カードについて「交付の申請をすることができる」と規定されています。「しなければならない」ではありません。

法律の文言自体が「できる(任意)」であって「しなければならない(義務)」ではない。これが制度設計の根幹です。

(参照: 出入国在留管理庁「特定在留カード等交付申請について」

理由3: 従来の在留カードは廃止されない

制度開始後も、マイナンバーカード機能のない「通常の在留カード」(新様式)は引き続き交付されます。特定在留カードを選ばなくても、在留カードがなくなって困るということはありません。


「義務っぽく感じる」シチュエーション別Q&A

法的には任意。でも実際の生活の中で「作らなきゃいけない空気」を感じる場面があるかもしれません。よくあるシチュエーションごとに、どう対応すればいいかを整理します。

Q: 会社(雇用主)から「特定在留カードを作ってください」と言われたら?

A: 法的な強制力はありません。 会社が特定在留カードの取得を業務命令として出すことは、法律で認められた義務ではないため、従う法的義務はありません。

ただし、会社側にも事情があります。2026年6月以降、在留カードの表面から在留期間の情報が消え、ICチップの読み取りが必要になります。企業の人事担当者にとっては、従業員の在留期間確認に手間が増える可能性があり、カード管理のしやすさから特定在留カードを勧めているケースが考えられます。

対応としては、「法的義務ではないことを理解した上で、自分のビザ更新タイミングで検討します」と伝えるのが穏やかで現実的です。

Q: 学校(留学先)から切り替えを求められたら?

A: こちらも強制ではありません。 留学ビザの管理上、学校側が在留状況の確認を簡単にしたいという背景が考えられますが、特定在留カードの取得を入学条件や在学条件にすることは法律上できません。

Q: 入管の窓口で「特定在留カードにしますか?」と聞かれたら?

A: これは「勧誘」であって「強制」ではありません。ビザ更新の手続きの際、窓口で案内されることが予想されますが、「結構です」と断っても不利益は一切ありません。 在留資格の審査結果に影響することもありません。

Q: 将来的に義務化される可能性はある?

A: 2026年4月時点では、義務化の具体的な計画は公表されていません。マイナンバーカード自体の取得義務化も現時点では実現していないため、マイナンバーカード機能を含む特定在留カードが先に義務化される可能性は低いと考えられます。

ただし、法改正は将来的にあり得るため、「絶対に義務化されない」とは断言できません。入管庁の公式発表を定期的にチェックしておくことをおすすめします。


「任意」だけど、作った方がいいのはどんな人?

義務ではないからといって、全員にとって「作らない方がいい」ということではありません。以下に当てはまる人は、任意でも切り替えを検討する価値があります。

こんな人は作った方がいい 理由
ビザ更新が半年以内に迫っている 更新のついでに切り替えられるので追加の手間がほぼゼロ
毎回入管と市役所を2回往復している ワンストップ手続きで片方がなくなる
引っ越し予定がある 転入届と同時に申請できる
マイナンバーカードの更新時期も近い どうせ更新するなら1枚にまとめた方が今後ラク

逆に、以下の人は急ぐ必要がありません。

こんな人はまだ不要 理由
ビザ更新が1年以上先 切り替えのためだけに入管に行くのは非効率
マイナンバーカードを持っていない 先にマイナンバーカードの取得が必要
マイナンバーカードをほとんど使わない 1枚にするメリットが薄い

メリットとデメリットのより詳しい比較は、特定在留カードのメリット・デメリット徹底比較をどうぞ。


「任意」でも変わること: 新様式の在留カードは全員に影響

ここで1つ注意点。特定在留カードの取得は任意ですが、2026年6月以降に発行される在留カードの「見た目の変更」は全員に適用されます。

新様式では、以下の情報がカードの表面から消え、ICチップの中にだけ記録されます。

  • 在留期間
  • 許可の種類
  • 許可年月日
  • 交付年月日

つまり、特定在留カードを選ばなくても、ビザ更新や在留資格変更で新しいカードが発行される際には新デザインになります。カードを見ただけでは在留期限が確認できなくなるので、期限管理の方法は全員が見直す必要があります。

🚨 Important

特定在留カードの取得は任意ですが、在留カードの新様式(表面情報の簡略化)は2026年6月以降に新規発行されるすべてのカードに適用されます。


よくある質問(FAQ)

Q: 今の在留カードをそのまま使い続けて大丈夫?

A: はい、大丈夫です。2026年6月14日以前に交付された在留カードは、カードに記載された有効期限まで引き続き有効です。自動的に無効になることはありません。

Q: 特定在留カードを作らないと不利益はある?

A: 法律上の不利益はありません。 在留資格の審査、ビザ更新の可否、永住権の審査などに影響することはないとされています。

Q: マイナンバーカードを持ってないけど、特定在留カードだけ作れる?

A: いいえ、作れません。 特定在留カードはマイナンバーカード機能を在留カードに統合したものなので、マイナンバーカードを所持していることが前提条件です。まだ持っていない場合は、先にマイナンバーカードの交付申請が必要です。

Q: 一度作った後に「やっぱり普通の在留カードに戻したい」場合は?

A: マイナンバーカード機能を返納することで、通常の在留カードに戻すことが可能です。在留資格が有効であれば、新たな在留カードが交付されます。


まとめ: 義務じゃないからこそ、自分のペースで判断しよう

特定在留カードの取得は、法律上の義務ではなく完全に任意です。

マイナンバーカード自体が任意であること、入管法の条文が「できる」(義務ではなく権利)と定めていること、従来の在留カードが廃止されないこと。この3つが、任意であることの法的な裏付けです。

会社や学校から「作って」と言われても慌てる必要はありません。自分のビザ更新のスケジュールや、マイナンバーカードの利用頻度を見ながら、メリットが大きいと感じたタイミングで切り替えれば十分です。

メリット・デメリットの比較はメリット・デメリット徹底比較をあわせてどうぞ。