日本に来たばかりの1週間は、来日後の手続きが次々に出てきて、どこから手をつけるべきか迷いやすい時期です。この記事は、来日前の持ち物準備ではなく、空港に着いてからの1週間に絞った内容です。在留カードを受け取った直後から、通信、住所の届出、保険、口座開設と、覚えることが一気に押し寄せてきます。
この記事では、留学生が来日して最初の1週間にすべきことを、迷わず進められる順番で整理しました。それぞれの手続きを深掘りするのではなく、「何を」「どの順番で」進めればいいかにしぼって説明します。細かい手続きの詳細は、それぞれの専門記事にリンクしているので、気になるところはそちらもあわせて読んでみてください。2026年10月時点の情報です。
今日からすぐ動ける内容になっているので、スマホのメモ代わりに使ってもらえたらうれしいです。
在留カードを受け取ったらすぐ確認すること
確認することの多さに驚くかもしれませんが、ここを押さえておくと、そのあとの住民登録やアルバイト探しがぐっと進めやすくなります。
空港に着いたら、まず目を通しておきたいのが在留カードです。在留カードとは、日本に中長期間(おおむね3か月以上)滞在する外国人に発行される身分証明書のことです。新千歳・仙台・成田・羽田・中部・関西・神戸・広島・福岡・那覇の10空港では、入国審査(上陸審査)を受けるときに、その場で手渡されます。
(参照:出入国在留管理庁「出入国港での手続/市区町村での手続」)
これ以外の空港や港から入国した場合は、パスポートに「在留カードを後日交付する」というスタンプが押されます。この場合は、住んでいる市区町村の役所で住所の届け出をしたあと、郵送で自宅に届く流れになります。手元にカードがなくても焦る必要はなく、まずは住所の届け出を進めれば問題ありません。
受け取ったその場で、記載内容を確認しておくと後が楽です。あとになって氏名のスペルや在留資格の表記ミスに気づくと、修正の手続きに余計な時間がかかってしまいます。
- 氏名がパスポートの表記と一致しているか
- 在留資格が「留学」になっているか
- 在留期間が想定どおりか
アルバイトを考えているなら「資格外活動許可」も早めに確認
留学生がアルバイトなど報酬を受け取る活動をする場合は、原則として資格外活動許可(アルバイトをしてよいという追加の許可)が必要です。許可を受けずに報酬を受ける活動をすると、処罰されたり、強制的に国外へ退去させられたりする可能性があります(参照:日本学生支援機構「Study in Japan」在留資格の変更)。求人を探し始める前に、申請の流れだけでも頭に入れておきましょう。
申請先は、住んでいる場所を担当する地方出入国在留管理官署(入管の窓口)です。手数料はかかりません。審査には2週間から2か月ほどかかるため、「来月からバイトしたい」と思ったときにはもう申請が終わっている、という状態を目指すのが理想です。
新しく入国する人で、在留資格が「留学」、かつ在留期間が「3か月」ではない人は、在留カードを受け取る空港でその場で申請できます(再入国での入国は対象外です)。空港で申請しない場合は、あとで地方出入国在留管理官署に出向いて申請することになります。
(参照:出入国在留管理庁「出入国港での手続/市区町村での手続」、出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」)
週28時間という労働時間の上限、禁止されている職種、オーバーワークがビザ更新に与える影響など、アルバイトまわりのルールはかなり細かく決まっています。本格的に働き始める前に、下の記事で全体像をつかんでおくことをおすすめします。
来日1週間はこの順番で動くと迷わない
結局何から手をつければいいのか、迷ってしまう人は多いはずです。来日直後の数日間は手続きが同時に押し寄せてくるように感じますが、進める順番さえ決めてしまえば、そこまで複雑ではありません。
おすすめの流れは、SIM・Wi-Fiの確保、市区町村でのまとめ手続き、銀行口座の開設という3ステップです。
| 順番 | やること | 主な場所 |
|---|---|---|
| 1 | SIM・Wi-Fiの確保 | 空港、家電量販店、オンライン |
| 2 | 住民登録など市区町村での手続き | 市区町村の役所 |
| 3 | 銀行口座の開設 | 銀行の窓口やアプリ |

Day0〜1:通信と書類の準備
到着した当日から翌日にかけては、まず連絡手段を確保するのが最優先です。地図アプリや翻訳アプリ、オンライン予約が使えるようになるだけで、そのあとの手続きが一気に楽になります。
- SIMまたはWi-Fiを用意する
- 住所の表記を確認しておく(賃貸契約書や入居案内に書かれている住所の読み方)
- 在留カード、パスポート、住所が分かる書類を一か所にまとめておく
この段階では「住所の書き方が分からない」「必要な書類が足りない」というつまずきが起きやすいので、住所まわりの書類を先に手元に集めておくのがポイントです。
Day2〜4:市区町村でまとめて手続き
住所が決まったら、市区町村の窓口でまとめて手続きを進めます。ここが片づくと、保険や年金、銀行口座の開設がぐっと進めやすくなります。
- 住民登録(転入届。在留カードの住所の届出も一緒にできる)
- 国民健康保険の加入
- 年金の学生納付特例の確認
- マイナンバーの受け取り方の確認
迷ったときは、市区町村で済ませられることを先に終わらせる、という考え方がいちばんの近道です。住民登録が終わると、保険や銀行で必要になる情報がそろいやすくなるので、結果的に全体のスピードが上がります。
Day5〜7:銀行口座を開設する
市区町村の手続きが済み、在留カードに住所が記載された状態になったら、銀行口座の開設に進みます。
- 銀行口座の開設
生活が落ち着いてきたら、支払い方法の整理や生活費の見直し、アルバイト探しといった「次の一歩」に進めます。この記事の後半でも触れているので、あわせて読んでみてください。
SIM・Wi-Fiを確保する
空港に着いてすぐスマホの電源を入れたのに、電波がつながらなくて焦った、という経験をした人は少なくないはずです。来日して最初に整えたいのが通信環境で、SIMやWi-Fiがあれば、地図、翻訳、連絡、予約がすべてスマホひとつでできるようになり、このあとの役所の手続きも格段に進めやすくなります。
よく比較される3つの選択肢を簡単に整理すると、次のようになります。
| 選択肢 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| SIM(物理カード) | 長期で安定して使いたい人、eSIM非対応のスマホを使っている人 | 受け取りや本人確認が必要で、即日開通にならないこともある |
| eSIM | とにかく最短で使いたい人、eSIM対応スマホを持っている人 | QRコード読み取りなどの設定作業が必要 |
| ポケットWi-Fi | 複数人・複数端末で使いたい人、スマホの契約はあとでゆっくり決めたい人 | 持ち歩きと充電が必要で、紛失時の条件も確認しておきたい |
契約するときによく聞かれるのは、次のようなことです。
- 本人確認(在留カードやパスポート)
- 日本の住所(住民登録を済ませる前は条件が変わることもあります)
- 支払い方法(クレジットカードや口座からの自動引き落とし)
- 使っているスマホがSIMフリー対応かどうか
来日直後は選べる支払い方法が限られることもあるので、契約前に一度条件を確認しておくとスムーズです。
日本語でのやり取りに不安がある人は、多言語サポートがあるサービスを選ぶと気持ちが楽になります。「自分で設定できるか」「困ったときに日本語以外でも聞けるか」を基準に選ぶと失敗しにくいです。YOLO JAPANが提供している外国人専用SIMカード「YOLO MOBILE」も、選択肢のひとつとして確認してみてください。
SIMやプランの選び方をもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事にまとめています。
市区町村の窓口でまとめて済ませる手続き
窓口に着くたびに違う案内の列に回されて、気づけば1時間以上並んでいた、という話もよく聞きます。何度も役所に通うのはできれば避けたいものですよね。住民登録、保険、年金、マイナンバーは、同じ市区町村の窓口でまとめて進められる手続きなので、一度の訪問で済ませられるものはまとめてしまうのが得策です。
住民登録(転入届)
最初に済ませるのが住民登録(転入届)です。転入届とは、「この住所に住んでいます」と市区町村に届け出る手続きのことです。住む場所を決めてから14日以内に、在留カードを持って届け出ることが法律で決まっています(参照:出入国在留管理庁「出入国港での手続/市区町村での手続」)。在留カードを持っていけば、転入届と在留カードの住所の届出を同じ窓口で一緒に済ませられます(参照:同上)。ここが終わると、保険や年金、銀行口座の開設で必要になる情報がそろうので、手続き全体のスピードが上がります。
持ち物として必ず必要なのは、在留カード(後日交付の案内を受けた人はパスポートも)です。それ以外に、住所が分かるものや在学証明書を求められることもありますが、自治体によって扱いが違うので、事前に自治体サイトの案内を確認しておくと二度手間になりません。住民票を取ったあとの使い方や記載項目の選び方は、別の記事で詳しく整理しているので、受け取ったあとに読んでもらえればと思います。
Living in Japan
住民票の取り方と記載項目の選び方|窓口・コンビニ・オンライン申請
住民票がどんなときに必要になるのか、どこでどう取るのかを実務ベースで整理しました。窓口・コンビニ・郵送・オンラインの4つの方法と手数料の違い、外国人の住民票にだけ載る在留資格や在留カード番号を載せるかどうかの決め方、引っ越しや帰国のときの届…
関連記事を読む
国民健康保険の加入
住民登録を終えたら、条件に当てはまる人は国民健康保険(日本に住む人が入る公的な医療保険)に加入します。加入の要否や期限は自治体の案内に従ってください。手続きでは在留カード、パスポート、学生証(あれば)がよく求められます。保険の仕組みや医療費の負担割合について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
年金の学生納付特例を確認する
国民年金は、日本に住む20歳以上の人が加入する制度です(参照:日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」)。留学生でも、条件によっては国民年金の対象になります。ただし学生の場合、保険料の納付を猶予できる「学生納付特例」という制度があるので、収入がない状態であれば窓口で一緒に相談しながら申請すると安心です。
通っている学校によっては、学生納付特例の対象にならないことがあります。各種学校は修業年限が1年以上の課程に限られ、私立の場合は都道府県知事の認可を受けた学校だけが対象です。日本語学校を含め、自分の学校が対象かどうかは日本年金機構の学生納付特例対象校一覧で確認しておくと安心です。
年金は後回しにすると書類のやり取りが増えて面倒になりがちなので、住民登録のついでに同じ日のうちに確認しておくのがおすすめです。年金の仕組みや将来受け取れるお金については、こちらでまとめています。
マイナンバーの受け取りとカード申請
住民登録をすると、自動的に12桁のマイナンバーが割り振られます。マイナンバーカードを作るかどうかは任意ですが、本人確認書類として使えたり、コンビニで住民票などの証明書を取れるようになったりと、生活がかなり楽になります。
カードを希望する場合は、住民登録後に「個人番号通知書」(マイナンバーが書かれた紙)が届くので、中身を確認してください。同封されている申込用紙に記入して郵送するか、オンラインや証明写真機からも申請できます。申請の流れや、在留期間とカードの有効期限の関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
Visa & Legal
マイナンバーカードの作り方:申請から受け取りまでと在留期間との関係
マイナンバーカードの申請方法4つと受け取りの手順を、外国人の視点で整理しました。写真の条件、交付通知書が届いてからやること、在留期間の満了日と連動する有効期限の注意点、在留期間を更新したときに必要な手続き、通知カードや個人番号通知書との違い…
関連記事を読む
銀行口座の開設は住民登録のあとで
しばらくは現金で何とかなると思っていても、家賃の引き落とし、携帯料金の支払い、アルバイトの給与受け取りなど、生活が始まると銀行口座はほぼ必須になってきます。意外と早い段階で必要になる場面が出てくるので、来日1週間のうちに準備だけは進めておくと、後で慌てずに済みます。
ポイントは、住民登録を終えてから銀行の手続きに進むことです。在留カードに住所が記載されていないと、窓口での手続きがスムーズに進まないことがあります。
一般的に必要になるのは、在留カード(住所が記載されているもの)とパスポートです。それ以外に何が求められるかは銀行によって違います。
来日してすぐは口座を作れない銀行もあります。ゆうちょ銀行でも、入国後6か月未満で日本国内の勤務先がない人は外国為替及び外国貿易法上の「非居住者」として扱われ、ATMでの送金ができない、予約送金(送金日を指定した送金)が使えないなど、口座の使い方に制限がかかります。6か月を過ぎて居住者に切り替えれば、この制限はなくなります。
(参照:ゆうちょ銀行「外国為替及び外国貿易法(外為法)に関するご案内」)
銀行選びや必要書類の詳細はこちらの記事で確認してください。
銀行口座は、来日した当日に急いで作らなければいけないものではありません。住民登録や保険の手続きを終えてから、落ち着いて進めれば十分間に合います。
来日1週間ですることチェックリスト
ここまでの内容を、チェックするだけで見返せるようにまとめました。終わったものから印をつけていってください。
Day0〜1
- ☐ 在留カードを受け取った、または後日交付の案内を確認した
- ☐ 在留カードの記載内容(氏名・在留資格・在留期間)を確認した
- ☐ アルバイトをする予定なら、資格外活動許可の申請先と流れを確認した
- ☐ SIMまたはWi-Fiを確保した
- ☐ 住所の表記を確認した
- ☐ 手続きに使う書類を一か所にまとめた
Day2〜4
- ☐ 市区町村の窓口で住民登録(転入届)をした(在留カードの住所の届出も一緒にできる)
- ☐ 国民健康保険の加入手続きをした、または不要か確認した
- ☐ 年金の学生納付特例を確認した
- ☐ マイナンバーの受け取り方を確認した
- ☐ マイナンバーカードを作る場合は申請方法を確認した
Day5〜7
- ☐ 銀行口座の開設に必要な書類をそろえた、または申し込んだ
生活が落ち着いてきたら考えたいこと
来日1週間の手続きが一通り終わると、生活の土台がかなり整います。ここから先は、暮らしをもう一段階安定させるための調整に入っていきましょう。
銀行口座ができたら、家賃や携帯料金、公共料金を口座引き落としやカード払いに設定しておくと、支払い忘れを防げます。通信費や家賃、食費を一度整理して、毎月いくら必要かをはっきりさせておくのも、このタイミングでやっておきたいことです。
Living in Japan
日本の留学生の生活費はいくら?1カ月の予算と内訳
留学生の1カ月の生活費はいくら必要でしょうか。JASSOの調査データをもとに、家賃・食費・光熱費の内訳、学費を含めた合計の目安、地域による差、アルバイト収入でどこまで補えるかを具体的な金額で解説します。留学前の予算計画づくりに役立つ内容です…
関連記事を読む
生活の土台が整ったら、無理のない条件でアルバイト探しを始めるのもいいタイミングです。日本語でのやり取りに不安があるなら、会話量が少ない仕事や、留学生の採用に慣れている職場から始めると気持ちが楽です。
「日本語不問」「未経験OK」「留学生歓迎」といった条件で絞り込める求人サービスを使うと、効率よく自分に合う仕事を見つけられます。YOLO JAPANでは、はじめてのアルバイトでも応募しやすい求人をまとめているので、探すときの参考にしてみてください。
まとめ:来日1週間は「順番」で乗り切れる
来日直後の1週間は、やることの多さに気持ちが焦りがちです。でも、在留カードの確認からSIMの準備、市区町村でのまとめ手続き、銀行口座の開設という順番さえ押さえておけば、ひとつずつ着実に片づけられます。
- 在留カードと資格外活動許可は、空港や入国直後のタイミングで確認しておく
- SIM・Wi-Fiを先に確保すると、そのあとの手続きが一気に楽になる
- 住民登録を終えると、保険・年金・銀行の手続きがまとめて進めやすくなる
- 銀行口座は急がず、住民登録のあとに落ち着いて進めれば十分
このチェックリストを、スマホのメモ代わりに使ってもらえたらうれしいです。ひとつずつ片づけていけば、日本での新生活は思っているよりずっとスムーズに動き出します。
この記事は情報提供のみを目的としています。制度は変わることがあるため、必ず公式情報をご確認ください。