住民税の『103万の壁』が123万に。2026年6月、パート配偶者・学生バイトの手取りはどう変わる?

Published: 2026年5月28日
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Updated: 2026年6月1日
住民税の『103万の壁』が123万に。2026年6月、パート配偶者・学生バイトの手取りはどう変わる?
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はじめに

2026年6月から各社に「住民税決定通知書」が配られ始めます。今年の通知書は例年と中身が変わります。令和8年度(2026年度)の住民税は、いわゆる「年収の壁」が大きく動く初年度です。

配偶者がパートで働いている人、留学生でアルバイトをしている人、19〜23歳の子どもを養っている人は手取り計算が変わります。要点を整理します。

(参照:財務省 令和8年度税制改正の大綱国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について横浜市 令和7年度税制改正(年収の壁への対応)

この記事でわかること

  • 「103万円の壁」が「123万円の壁」に拡大される
  • 住民税非課税のラインが給与収入100万円→110万円に上がる
  • 19〜23歳の子をもつ親に「特定親族特別控除」が新設
  • 適用は2025年1月〜12月の所得に対する2026年度住民税から

免責事項: 本記事は総務省および自治体の公表資料をもとに整理しています。実際の控除額は個人の所得・家族構成により異なります。具体的な税額の試算は税理士や市区町村の税務課にご確認ください。

何が変わるのか(4つのポイント)

1. 給与所得控除(給与から自動で差し引かれる経費)の最低保障額が引き上げ

給与所得控除とは、給与から「働くために必要な経費」として自動で差し引かれる金額のことです。給与収入が162万5千円以下の人について、この最低保障額が55万円から65万円に引き上げられます(162万5千円超〜190万円以下は段階的引き上げ)。同じ給与収入でも、税金の計算のもとになる「所得金額」が10万円減るので、税負担が減ります。

結果として住民税が非課税になる給与収入のラインが 100万円から110万円 に引き上がります。

(参照:国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について

2. 扶養家族・配偶者の所得要件が広がる

「扶養に入る」とは、家族の収入が少ない場合に、その人を支えている人(働き手)の税金が安くなる仕組みのことです。扶養親族(生活を支えている家族)や同一生計配偶者(同じ家計で暮らす配偶者)として扱われるための所得要件が、48万円から58万円に上がります。給与収入に換算すると 103万円→123万円。これがいわゆる「年収の壁」改正です。

項目 旧(〜令和7年度) 新(令和8年度〜)
扶養親族・同一生計配偶者の所得要件 48万円以下 58万円以下
給与収入換算 103万円以下 123万円以下

配偶者がパートで働いている家庭では、123万円までなら税金の上で扶養に入れます。

3. 勤労学生控除(働く学生向けの税の割引)も拡大

勤労学生控除は、アルバイトで収入のある学生本人が受けられる税の割引です。この所得要件も75万円から85万円に引き上げ、給与収入換算で 130万円→150万円 に広がります。

留学生や大学生で日本でアルバイトをしている人は、年間150万円まで稼いでも勤労学生控除の対象になります。

4. 特定親族特別控除(大学生世代の子をもつ親への新しい控除)が新設

これは新しい仕組みです。特定親族特別控除とは、19歳以上23歳未満の子ども(おもに大学生世代)を養っている親が受けられる、新しい税の割引のことです。子どもの合計所得が58万円超〜123万円以下(給与収入のみなら123万円超〜188万円以下)の場合、親の税金から段階的に割引が引かれます。住民税の控除額は最大45万円(子どもの合計所得58万円超〜100万円以下)で、子どもの所得が増えるにつれて控除額が小さくなり、120万円超〜123万円以下では3万円まで縮小します。

これまでは子どもが103万円を1円でも超えたら扶養から外れ、親の税負担が一気に重くなる仕組みでした。改正後は123万円までの間、控除が段階的に小さくなる設計に変わります。

(参照:国税庁 No.1177 特定親族特別控除横浜市 R7改正 控除額一覧

💡 Key Point

ポイントは「壁がなくなったのではなく、壁が高くなり、その手前で負担が段階的に増えるように変わった」ことです。123万円までは控除がフルで適用され、123万〜150万円程度の範囲では控除が少しずつ減っていく設計です。

いつから反映される?

すべて 令和8年度(2026年度)の住民税 から適用されます。2025年1月〜12月の所得が計算の対象で、天引きは 2026年6月の給与 から始まります。

5月末〜6月上旬に会社経由で届く「住民税決定通知書」を確認してください。新しい控除が反映されていれば、扶養控除や勤労学生控除の欄に新ルールでの金額が記載されています。

影響を受ける人

  • 配偶者がパートで働いている家庭:「103万円超えると不利」ラインが123万円までに緩む
  • 留学生・大学生でアルバイトをしている人:150万円までは勤労学生控除の対象に
  • 19〜23歳の子をもつ親:特定親族特別控除で家計の負担緩和
  • 給与収入110万円以下のフルタイム外国人:住民税が非課税に
✅ Tip

パートで働く配偶者や、アルバイトをしている学生のお子さんがいる家庭は、年内の働き方計画を見直すチャンスです。「103万円を意識して時間を抑えていた」場合、123万円まで広げても税制上は不利になりません(社会保険料の106万円・130万円の壁は別途あるので、そちらも要確認)。

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住民税は「後払い」の税金で、毎年6月に新年度分の天引きに切り替わります。来日2年目で初めて天引きが始まる人は手取りが月1万〜2万円下がることもあるので、5月のうちに家計を見直しておくと安心です。

仕組み全体(給与から天引きする方式と自分で振り込む方式の違い、12月の年末調整との関係、転職時の手続きなど)は日本で働く外国人のための住民税完全ガイドにまとめています。家計の固定費が上がっているタイミングなので、2026年4月以降の電気・ガス料金値上げもあわせてどうぞ。

FAQ

Q. 「103万円の壁」がなくなったということ?

A. 「税制上の」壁が123万円に移動したというのが正確です。社会保険料の壁(106万円・130万円)は別ルールなので残っています。働き方を決める時は両方を確認してください。

Q. ふるさと納税の控除はどうなる?

A. ふるさと納税自体の制度は2026年度も継続します。住民税決定通知書の「寄附金税額控除」欄に金額が入っているか確認してください。

Q. 来日1年目なのに住民税の通知が来ました

A. 前年1月1日時点で日本に住所があれば課税されます。たとえば2024年10月に来日した場合、2025年1月1日は日本にいるので、2024年10月〜12月の所得に対する住民税が発生します。

Q. 帰国予定です。住民税はどうなる?

A. 1月1日時点で日本に住所があれば、その年度分の住民税は発生します。帰国前に未納分を一括で支払うか、納税管理人(自分の代わりに税の手続きや支払いをしてくれる人。日本に住んでいる家族・友人・税理士などを指定する)を選んで代わりに納めてもらう必要があります。市区町村の税務課で手続きを。

まとめ

  • ✅ 2026年6月の住民税から「年収の壁」が103万→123万に拡大
  • ✅ 住民税非課税のラインも給与収入100万→110万に引き上げ
  • ✅ 19〜23歳の子をもつ親には「特定親族特別控除」が新設、最大45万円の控除
  • ✅ 6月上旬に届く「住民税決定通知書」で新しい控除の反映を確認

今回の改正で、配偶者や子どもの「働き方」を税金の壁に合わせて抑える必要は103万円から123万円までに広がりました。19〜23歳の子どもをもつ家庭では、新設の特定親族特別控除によって、子どものアルバイト収入が増えても親の税負担が一気に増えない仕組みに変わります。一方で、社会保険料の壁(106万円・130万円)は別ルールとして残るため、働き方を決めるときは税金と社会保険の両方を確認してください。まずは5月末〜6月上旬に届く「住民税決定通知書」で、新しい控除が正しく反映されているかをチェックすることから始めましょう。