いま何が起きているのか? — 手数料値上げの全体像
2026年3月、SNSで「ビザの更新費用が何十万円にもなる」というニュースが駆け巡りました。日本で暮らす私たちにとって他人事ではない話だけに、不安を感じた方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、今すぐ手数料が10万円や30万円になるわけではありません。しかし、これから数年以内に、ビザに関する手数料が大きく値上げされる可能性は非常に高くなっています。
この記事では、情報が混ざってしまわないように「すでに決まったこと」「これから決まること」「今やっておくべきこと」を3つに分けて、わかりやすく解説します。
TL;DR(この記事でわかること)
- 2025年4月施行済み:更新・変更の手数料は 4,000円 → 6,000円、永住許可は 8,000円 → 10,000円 になりました
- 2026年3月の政府案:法律の「上限額」を 更新・変更10万円、永住許可30万円 に引き上げる案が国会へ出されました
- 「上限額」と「実際の手数料」は違います — 今すぐ30万円を払うわけではありません
- 政府は2026年度中(2027年3月末まで)に新しい手数料のルールをスタートさせようとしています
- 家族と一緒に住んでいる人は、家族全員分の更新費用が高くなるため、早めの確認が必要です
免責事項: 記事の情報は2026年4月9日時点のものです。実際の手数料の金額やいつから始まるかは、国会での話し合いで変わる可能性があります。最新の情報は、常に入管(出入国在留管理庁)の公式サイトで確認してください。
時系列で理解する:手数料見直しの3ステップ
この手数料の変更は、突然すべてが決まったわけではありません。少しずつ段階を踏んで進んでいます。3つのステップに分けて状況を整理しましょう。
ステップ1:2025年4月1日 — すでに施行済みの改定
まず、すでに始まっている値上げについてです。2025年4月1日から、窓口で支払う手数料が以下のように変わりました。
| 申請の種類 | 改定前 | 改定後(窓口) | オンライン申請 |
|---|---|---|---|
| 在留資格変更許可申請 | ¥4,000 | ¥6,000 | ¥5,500 |
| 在留期間更新許可申請 | ¥4,000 | ¥6,000 | ¥5,500 |
| 永住許可申請 | ¥8,000 | ¥10,000 | — |
この新しい金額はすでに適用されています。オンラインで申請した場合は500円安くなり、5,500円で手続きができることは覚えておきましょう!
(参照:出入国在留管理庁「在留手続等に関する手数料の改定」)
ステップ2:2026年1月 — 政府の新しい方針が発表
次に、2026年1月、政府は外国人を受け入れるための新しい方針を発表しました。その中で、「2026年度中(2027年3月まで)にビザの手数料を引き上げる」という目標が示されました。
この発表では、手数料のことだけでなく、入管システムの強化や電子システムの導入なども説明されています。つまり、日本は「外国人に関するルールやサポートの仕組み全体を新しく作り直そうとしている」ということがわかります。
(参照:首相官邸「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」)
ステップ3:2026年3月10日 — 新しい法律の案が国会へ
一番大きなニュースになったのがこのステップです。2026年3月10日、政府は新しい入管法(ルール)の案をまとめ、国会に提出しました。
提案された内容は以下の通りです。
| 申請の種類 | 今までの法律の上限 | 提案された新しい上限 |
|---|---|---|
| 在留資格の変更・更新など | 1万円 | 10万円 |
| 永住許可申請 | 1万円 | 30万円 |
ここで皆さんに知ってほしい最重要ポイントは、提案されたのは「法律の天井(上限額)を引き上げる」ことであり、「いますぐ私たちが払う金額がこれになる」わけではないということです。
今までも法律の上限は1万円でしたが、実際の料金はずっと4,000円や6,000円でしたね。「上限を広げること」と「実際にいくら払うか」は別なのです。本当の手数料の金額は、この法律が決まった後に「政令(Cabinet Order)」によって細かく決められます。
(参照:FNNプライムオンライン「入管法改正案を閣議決定」)
今後の見通し:いつ、いくらになるのか
「で、結局いくらになるの?」——これが一番気になりますよね。
国会での話し合いのいま
2026年4月現在、新しい法律の案は国会で話し合われています。弁護士会やサポート団体からは「急な値上げは外国人の生活に大きな負担になる」と慎重な議論を求める声が上がっており、いつ決まるかはまだ確定していません。
しかし、政府は今の国会でこの法律を成立させることを目指しており、もし成立すれば2026年度中(2027年3月末まで)に新しいルールがスタートする予定です。
(参照:日本弁護士連合会「入管法改正案に対する意見書」)
実際の手数料はいくらになる見込みか
上限の10万円や30万円をそのまま払うことになるのでしょうか? 現時点でのニュースや専門家の予想では、以下のようになる可能性が高いと言われています。
| 申請の種類 | 今払っている金額 | 予想される新しい手数料 |
|---|---|---|
| 在留資格の変更・更新 | ¥6,000 | 数万円くらい |
| 永住許可申請 | ¥10,000 | 約20万円くらい |
ただし、これはあくまで現時点の「予想」です。正確な金額は、法律が通って細かいルールが発表されるまでわかりません。
(参照:The Japan Times「Japan eyes hike in visa renewal fees」)
在留期間(ビザの長さ)によって金額が変わる可能性
また、「もらえるビザの長さによって手数料を変えよう」という案も出ているようです。たとえば、1年のビザと5年のビザで手数料が違う、という仕組みですね。もしこれが本当になれば、「5年のビザをもらうメリット」が今まで以上に大きくなります。
手数料を減らすサポート制度について
お金がなくて手数料が払えない人のために、手数料を安くしたり免除したりする制度も用意される方向です。ただ、誰が対象になるかなど詳しいルールは、これもこれから決められます。
あなたの家計にどう影響するか — シミュレーション
「数万円って言われてもピンとこない」という方のために、少し計算してみましょう。
ケース1:ひとりで日本で働いている人
1年ごとにビザを更新していて、もし新しい更新の手数料が5万円になったとしたら——
| 項目 | 今までの費用 | 値上げ後の費用(もし5万円なら) |
|---|---|---|
| 1回の更新費用 | ¥6,000 | ¥50,000 |
| 5年間の合計 | ¥30,000 | ¥250,000 |
これだけでも大きな出費です。でも、もし一度で5年ビザをもらえたら、5年間の費用は一回分の5万円だけで済みますね。
ケース2:家族で住んでいる人(配偶者 + 子ども1人)
| 項目 | 今までの費用(3人分) | 値上げ後の費用(もし5万円なら・3人分) |
|---|---|---|
| 1回の更新費用 | ¥18,000 | ¥150,000 |
| 1年を5回更新 | ¥90,000 | ¥750,000 |
家族が多くなると、毎年の申請にお金がたくさんかかります。家計への影響はとても大きいです。
ケース3:永住権を取りたい人
もし永住許可の手数料が20万円になったとしたら——
- 今すぐ申請すれば: ¥10,000
- 値上げ後に申請すると: ¥200,000(20倍)
永住権の条件をクリアしている人は、制度が新しくなる前に早めに申請しておくほうが、お金の面ではかなりお得になります。
なぜ値上げするのか — その理由を知ろう
「どうしていきなり高くするの?」と思うかもしれません。理由を知っておくと、今後の日本の動きが見えてきます。
1. 外国人住民数の急増
2025年末の時点で、日本に住む外国人は約413万人と過去最多を更新しました。入管の業務量は急増しており、審査体制の維持・強化にコストがかかっています。
2. サービスを使う人がお金を払うルールにするため
今の手数料は、1982年に決まった上限額のまま据え置きになっていました。政府は、入管のシステムを使うためのコストを「申請する本人が少し多めに負担する」形に変えようとしています。
3. 外国人政策全体を新しくするため
今回の見直しは、「ただ値上げする」だけではありません。入管の審査をIT化して早くしたり、日本での生活に困ったときの外国人向け相談窓口をつくったり、日本語の学習をサポートするための資金にするため、とも言われています。手数料が上がった分、日本のサポートが本当に使いやすくなるのか、私たちがしっかり見ていく必要があります。
今すぐできる5つのアクション
正確な金額が決まるのを待つだけでなく、今からできる準備を始めましょう。
アクション1:自分の更新スケジュールを確認する
まずはあなたの在留カードを見てください。期限の日はいつですか? あと何回更新が必要ですか? スマホのカレンダーに「カード期限の3ヶ月前」でアラームをセットしましょう。
アクション2:税金・年金・健康保険をきっちり払う
ビザの更新や永住権の申請で一番大切なのは、税金(住民税など)、年金、健康保険の支払いです。未払いがある人は今すぐ役所で確認して払いましょう。手数料が高くなれば、「不許可になって申請をやり直す」ことでお金がたくさん無駄になってしまいます。
アクション3:「5年ビザ」をもらうための準備をする
ビザの期間でお金が変わる可能性があるなら、できるだけ「1年」ではなく「3年」や「5年」の長いビザを目指すのがベストです。
- 同じ会社で長く働く(できれば3年以上)
- お給料が安定している(目安として年間300万円以上)
- 税金や社会保険を必ず払う
この実績を積むことが、長いビザをもらう一番の近道です。
アクション4:ルールの変更(届け出)を忘れない
引っ越しをしたとき、仕事を変えたとき、結婚や離婚をしたときは、ルールに従って必ず14日以内に入管や役所に届け出をしましょう。届け出を忘れると「ルールを守らない人」と見られてしまい、いいビザがもらいづらくなります。
アクション5:永住権を狙うタイミングを考える
永住権を取れば、もうビザの更新も手数料の支払いも不要になります。10年以上日本に住んでいる人や、「高度人材ビザ」の基準を満たすことができる人は、早めに永住権の申請に向けた準備を始めましょう!
(参照:出入国在留管理庁「永住許可申請」)
FAQ:よくある質問
Q: 今すぐ更新の手数料が10万円になるの?
A: いいえ。10万円というのは「法律で決めることができるMAXの金額(上限)」のことです。今のところ実際の手数料は今まで通り(更新・変更は6,000円)です。本当の金額は、これからの国会で決まります。
Q: 手数料が払えない場合はどうなるの?
A: 生活費がなくて困っている人への「免除」の仕組みも用意される予定です。詳しいルールが出たら役所やプロ(行政書士)に相談できるようになります。
Q: 家族(配偶者・子ども)のビザも値上げされる?
A: はい。変更・更新はどんなビザの種類でも値上げの対象になる可能性が高いです。家族が多い人は少し多めに貯金をしておくなど、今から準備をしておくと安心です。
Q: 永住権、値上げされる前に急いで申請したほうがいい?
A: もしすでに永住権のルール(日本に住んでいる年数や、税金を払っていること)を完全にクリアしているなら、早めに申請するのも良いアイデアです。ただし、ルールを満たしていないのに焦って申請しても失敗するだけなので、まずは自分の状況をしっかり確認してください。
まとめ:不安にならず「できる準備」を
手数料が高くなるニュースは不安ですよね。でも心配しすぎるよりも、「今からできる準備」をすることが大切です。
- ✅ 今の手数料(6,000円/10,000円)と、「これからの予想金額」があることを理解する
- ✅ 税金や年金に「未払い」を絶対に作らない
- ✅ 「5年ビザ」をもらえるように、安定した仕事と生活をキープする
- ✅ 永住権を狙える人は、できるだけ早く準備をはじめる
日本の法律やルールについては、必ず入管庁の公式サイトで自分でもチェックする習慣をつけましょう。私たちも、新しいルールが決まり次第、記事をアップデートしてお知らせします!