Disclaimer: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療の専門的な助言ではありません。お子さんに必要なワクチンや接種の時期は、必ず小児科医とお住まいの市区町村に確認してください。制度の内容は2026年10月時点の情報です。
はじめに:日本の予防接種は「似ているようで、少し違う」
役所から届いた分厚い封筒を開けたら、予診票(接種の前に記入する問診の用紙)が何枚も入っていた。でも、どれをいつ使うのか分からない。日本で初めて子育てをする私たちの多くが、一度はこの場面を経験しています。
母国では1本だったワクチンが日本では2本に分かれていたり、反対に日本では5種類の病気を1本で防げたりします。BCGのように、国によっては接種しないワクチンが日本では定期接種に入っていることもあります。仕組みの違いを知らないままクリニックに行くと、「今日は打てません」と言われて出直すことになりがちです。
この記事では、2026年10月時点の制度にもとづいて、次の内容をまとめました。
- 0歳から高校生までの予防接種スケジュール(早見表つき)
- 2024年から2027年にかけて変わった点、これから変わる点
- 来日してから最初の接種までの手順
- 海外で受けた予防接種を日本のスケジュールにつなげる方法
- 英語などで相談できる窓口と、多言語の予診票
予防接種は、日本で子どもを守るためのいちばん身近な制度です。順番に見ていきましょう。
1. 定期接種と任意接種の違い:無料か有料かはここで決まる
日本の予防接種は、大きく「定期接種」と「任意接種」の2種類に分かれます。この違いを知らないと、「無料だと思っていたのに、窓口で数千円から1万円以上を払うことになった」ということが起きます。
| 定期接種 | 任意接種 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 予防接種法で決められている | 法律の対象外(希望する人が受ける) |
| 費用 | 対象年齢の間なら原則無料(市区町村が負担) | 原則自己負担(料金は医療機関ごとに違う) |
| 必要なもの | 市区町村が発行する予診票 | 医療機関の予診票 |
| 健康被害が起きたとき | 予防接種法の救済制度 | 医薬品副作用被害救済制度 |
(参照:厚生労働省「予防接種・ワクチン情報」)
子どもの定期接種(無料)の一覧
2026年10月時点で、子どもが無料で受けられる定期接種は次のとおりです。
- 0歳から受けるもの:B型肝炎、ロタウイルス、五種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)、小児用肺炎球菌、BCG(結核)
- 1歳から受けるもの:MR(麻しん・風しん)、水痘(水ぼうそう)
- 3歳ごろから受けるもの:日本脳炎
- 小学校高学年以降に受けるもの:DT(ジフテリア・破傷風)、HPV(ヒトパピローマウイルス。小学6年生から高校1年生相当の女子)
さらに2026年4月からは、妊婦さんが受けるRSウイルスの母子免疫ワクチンも定期接種になりました。お母さんの体でできた抗体が赤ちゃんに移り、生まれてからの重症化を防ぐワクチンです(詳しくは4章で説明します)。
主な任意接種(有料)
- おたふくかぜ:日本小児科学会は2回の接種をすすめています。2027年度に定期接種になる見通しです(4章参照)
- インフルエンザ:注射のワクチンは生後6か月から。13歳未満は毎年2回が基本です。2歳から18歳までは、鼻にスプレーするワクチン(年1回)も選べます
- A型肝炎、髄膜炎菌:海外渡航や寮生活の前などにすすめられることがあります
おたふくかぜやインフルエンザの接種に、独自の助成金を出している市区町村があります。「(お住まいの市区町村名)おたふくかぜ 助成」で検索すると、費用の一部が戻ってくる制度が見つかることがありますよ。
2. 0歳の予防接種スケジュール:生後2か月が「ワクチンデビュー」
日本の予防接種は、生後2か月から本格的に始まります。0歳のうちに受けるワクチンの数が多いので、最初の数か月はほぼ毎月クリニックに通うことになります。
【早見表】0歳の標準的な接種スケジュール
| 時期 | 受けるワクチン(同時接種が一般的) |
|---|---|
| 生後2か月 | 五種混合①、小児用肺炎球菌①、B型肝炎①、ロタ① |
| 生後3か月 | 五種混合②、小児用肺炎球菌②、B型肝炎②、ロタ② |
| 生後4か月 | 五種混合③、小児用肺炎球菌③、ロタ③(5価ワクチンの場合のみ) |
| 生後5〜8か月 | BCG |
| 生後7〜8か月 | B型肝炎③ |
(参照:Know VPD!「予防接種スケジュールを立ててみよう!」 / 厚生労働省「予防接種・ワクチン情報」)
表はあくまで「標準的な」順番です。体調を崩して1か月ずれる、ということはよくあるので、遅れたときは小児科で組み直してもらいましょう。
ワクチンごとの注意点
五種混合は、以前の「四種混合」と「ヒブ」を1本にまとめたワクチンです。2024年4月から定期接種になりました。生後2か月から20日以上の間隔で3回受け、3回目から6か月以上あけて(標準は6〜18か月後)4回目を受けます。
小児用肺炎球菌は、2024年10月から「20価」(20種類の型を防ぐタイプ)が定期接種で使われています。生後2か月から3回受け、1歳から1歳3か月の間に4回目を受けるのが標準です。
B型肝炎は1歳になるまでに3回受けます。3回目は1回目から139日以上あけるため、生後7〜8か月ごろになります。
BCGは結核を防ぐワクチンで、1歳になるまでが定期接種の期間です。スタンプのような専用の器具で腕に押して接種し、数週間後に針のあとが赤くなったり、うみのようになったりします。これは正常な反応なので、触らずに様子を見てください。市区町村によっては、BCGを保健センターでの集団接種で行っています。
ロタウイルスは「期限」がいちばん厳しい
ロタウイルスワクチンは、注射ではなく口から飲むワクチンです。2020年10月から定期接種になっています。ここで特に気をつけたいのが期限です。
| 種類 | 回数 | 接種できる期間 |
|---|---|---|
| 1価(ロタリックス) | 2回 | 生後6週0日から24週0日まで |
| 5価(ロタテック) | 3回 | 生後6週0日から32週0日まで |
どちらも1回目は生後14週6日までに受けることがすすめられています。 それ以降に1回目を受けることは、すすめられていません。生後2か月ぎりぎりに日本へ来た場合は、ロタだけは先に予約を取ると安心です。
(参照:東京都保健医療局「ロタウイルス感染症」)
ロタウイルスワクチンを受けたあと1〜2週間は、まれに「腸重積症」(腸の一部が重なって詰まる病気)が起きることがあります。激しく泣く・泣きやんでもまた泣く、を繰り返す、吐く、血の混じった便が出る、といった様子があれば、すぐに受診してください。
「一度に4本も打って大丈夫?」
生後2か月の受診日に、4種類のワクチンを同時に打つと聞いて、驚く方は多いと思います。同時接種(複数のワクチンを同じ日に受けること)は、日本だけでなく海外でも一般的な方法です。日本小児科学会も、同時接種で副反応が増えるわけではないとしています。
同時接種のいちばんのメリットは、早い時期に必要な免疫をつけられることです。通院の回数も減るので、慣れない土地での子育てでは助かります。不安なときは、受診の際に医師に「同時接種について相談したい」と伝えれば、別の日に分ける方法も含めて説明してもらえます。
3. 1歳から高校生までの予防接種スケジュール
0歳のピークを過ぎると少し落ち着きますが、1歳の誕生日のころにもう一度、まとめて受ける時期が来ます。
【早見表】1歳以降の定期接種
| ワクチン | 接種の時期 | 回数 |
|---|---|---|
| MR(麻しん・風しん)1期 | 1歳から2歳になるまで | 1回 |
| 水痘 | 1歳から3歳になるまで | 2回(3か月以上あける。標準は6〜12か月) |
| 小児用肺炎球菌(4回目) | 1歳から1歳3か月 | 1回 |
| 五種混合(4回目) | 3回目から6〜18か月後 | 1回 |
| MR 2期 | 小学校入学前の1年間(保育園・幼稚園の年長) | 1回 |
| 日本脳炎 1期 | 標準は3歳で2回、4歳で1回 | 3回 |
| 日本脳炎 2期 | 9歳から13歳になるまで(標準は9歳) | 1回 |
| DT 2期 | 11歳から13歳になるまで(標準は11歳) | 1回 |
| HPV | 小学6年生から高校1年生相当の女子 | 2〜3回 |
(参照:厚生労働省「予防接種・ワクチン情報」)
1歳の誕生日のころは、MR・水痘・肺炎球菌4回目、それにおたふくかぜ(任意接種)をまとめて受けることが多い時期です。誕生日を過ぎたらすぐに予約しておくと、打ち忘れを防げます。
MR 2期は「年長さんの1年間」だけが定期接種の期間です。4月から翌年3月までに受けないと、その後は自己負担になります。なお、2024年度にワクチンの供給が不足した影響で、2024年度中に受けられなかった子ども(MR 1期は2022年4月2日から2023年4月1日生まれ、MR 2期は2018年4月2日から2019年4月1日生まれ)は、2027年3月31日まで無料で受けられるよう期間が延びています。
HPVワクチンは、9価(シルガード9)を15歳になる前に受け始めれば2回で完了します(1回目と2回目は5か月以上あけます)。15歳以降に受け始めた場合は3回です。
(参照:厚生労働省「9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(シルガード9)について」)
1997年度から2008年度生まれの女性を対象にしたHPVワクチンのキャッチアップ接種(受けそびれた人向けの無料接種)は、延長措置も含めて2026年3月31日で終わりました。2026年度以降に受ける場合は、定期接種の対象(小学6年生から高校1年生相当)以外は自己負担です。
4. 2024〜2027年の変更点:古い情報に注意
ここ数年で、日本の予防接種は大きく変わりました。母国の友人やインターネットの古い情報、あるいは数年前に日本で子育てをした知人の話と、今の制度が違うことがあります。
| 時期 | 変わったこと |
|---|---|
| 2024年4月 | 五種混合ワクチンが定期接種に(四種混合とヒブが1本に) |
| 2024年10月 | 小児用肺炎球菌が20価ワクチンに |
| 2025年4月〜2027年3月 | MRワクチン不足の影響を受けた子どもの接種期間を延長 |
| 2026年3月 | HPVワクチンのキャッチアップ接種が終了 |
| 2026年4月 | 妊婦向けRSウイルス母子免疫ワクチンが定期接種に |
| 2026年5月 | MMRワクチン(麻しん・おたふくかぜ・風しん)が約30年ぶりに国内で承認 |
| 2027年度(見通し) | おたふくかぜワクチンが定期接種になる予定 |
妊婦さんのRSウイルスワクチン(2026年4月から無料)
RSウイルスは、赤ちゃんがかかると肺炎や細気管支炎(細い気管支の炎症)になりやすいウイルスです。特に生後6か月までの赤ちゃんは重くなりやすいとされています。
2026年4月から、妊娠28週0日から36週6日までの妊婦さんは、母子免疫ワクチンを1回、無料で受けられるようになりました。妊娠中の方や、これから日本で出産を考えている方は、妊婦健診のときに産婦人科で相談してみてください。日本での出産の流れは日本で出産する外国人向け完全ガイドにまとめています。
(参照:厚生労働省「RSウイルスワクチン」)
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日本で出産する外国人向け完全ガイド:手続き・費用・50万円の補助金のもらい方 (2026)
日本で出産を控える外国人のための完全ガイド。出産にかかる費用の目安から、出産育児一時金(50万円)の受給方法、英語対応の病院探し、産後の重要手続き(出生届・ビザ・パスポート申請)までを時系列で詳しく解説します。
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「日本にはMMRがない」というのは、長いあいだ海外出身の保護者にとって大きな戸惑いでした。日本では1989年にMMRワクチンが導入されましたが、副反応の問題で1993年に中止され、その後は麻しん・風しんの「MR」だけが定期接種、おたふくかぜは別の任意接種という形が続いてきました。
この状況が変わり始めています。
- 2026年5月:第一三共が開発したMMRワクチンを厚生労働省が承認しました
- 2026年7月:厚生労働省の専門家の小委員会が、おたふくかぜワクチンを定期接種にすることを支持しました。接種は1歳と小学校入学前の計2回が想定されています
上の部会で認められて正式に決まれば、2027年度にもおたふくかぜが無料の定期接種になる見通しです。ただし、2026年10月時点ではおたふくかぜはまだ任意接種(自己負担)です。今1歳前後のお子さんがいる場合は、定期接種化を待たずに受けるかどうか、小児科で相談するのがおすすめです。
(参照:熊本日日新聞「3種混合ワクチンを承認 おたふく含む、約30年ぶり」 / 熊本日日新聞「おたふくかぜ定期接種化を支持 厚労省の専門家小委」)
5. 来日したら最初にやること:住民登録から初回接種まで
日本の無料の予防接種は、住んでいる市区町村に住民登録をしていることが前提です。予診票は住民登録をもとに発行されるので、登録が遅れると、そのぶん予診票も届きません。
来日から最初の接種までは、次の順番で進めます。
ステップ1:市区町村の窓口で転入届を出す
日本に住む場所が決まったら、14日以内に市区町村の窓口で転入届(引っ越してきたことを届け出る手続き)を出します。子どもの分も一緒に届け出ます。住民票の仕組みや取り方は住民票の取り方と記載項目の選び方で詳しく説明しています。
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ステップ2:保健センターで予診票をもらう
日本で生まれた子どもには、出生届のあとに予診票が郵送されるのが一般的です。一方、海外から来た子どもの場合、自動では届かないことがあります。 転入届を出したら、同じ日に子ども関係の窓口か保健センターで「予防接種の予診票がほしい」と伝えましょう。
このとき、次のものを持っていくと話が早く進みます。
- 母子健康手帳(日本で生まれた場合、または以前日本に住んでいた場合)
- 海外で受けた予防接種の記録(英語のものが望ましい)
- 子どものパスポートや在留カード
ステップ3:母子健康手帳を手に入れる
母子健康手帳(以下、母子手帳)は、妊娠中から子どもの成長と予防接種の記録をまとめておく日本独自の手帳です。定期接種を受けるときは母子手帳の持参が必要です。海外で生まれた子どもでも、市区町村の窓口で発行してもらえることが多いので、確認してみてください。
英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語・ベトナム語・インドネシア語・タイ語・タガログ語・ネパール語の10言語で、日本語と併記した外国語版の母子手帳も作られています。妊娠届を出すときに外国語版を渡している市区町村もあるので、窓口で聞いてみる価値はありますよ。
(参照:川崎市「母子健康手帳(母子手帳)の受取り方を知りたい。」)
ステップ4:小児科を予約する
予診票が手に入ったら、市区町村が指定している医療機関(多くの小児科)に予約を入れます。予約のときには、「どのワクチンを、何回目として受けたいか」を伝えましょう。日本のクリニックは予約制が多く、ワクチンを予約に合わせて取り寄せていることもあるため、当日いきなり行っても在庫がなく受けられないことがあります。
住民登録を後回しにして予診票がないまま対象年齢を過ぎると、そのワクチンは自己負担になります。特にロタウイルス(1回目は生後14週6日まで)とBCG(1歳になるまで)は期限が早いので、来日後すぐに手続きをしてください。
6. 海外で受けた予防接種の引き継ぎとキャッチアップ
「母国ですでに半分くらい終わっているけれど、日本ではどうすればいい?」これは国際ファミリーからいちばんよく聞く悩みのひとつです。海外で受けたワクチンは日本でもそのまま有効なので、「足りない分を日本のスケジュールで補う」と考えれば大丈夫です。この補う接種のことを「キャッチアップ」と呼びます。
引き継ぎの3ステップ
ステップ1:海外の接種記録を準備する
母国の医師が発行した接種記録(Immunization Record)を用意します。ワクチンの名前、接種日、ロット番号が書かれているものが理想です。英語の記録であれば、多くの小児科医が読み取れます。英語以外の言語の場合は、英訳をつけておくとスムーズです。
ステップ2:小児科で母子手帳に書き写してもらう
日本の小児科で、海外での接種歴を母子手帳に転記してもらいます。こうしておくと、次にどのワクチンを何回目として受ければいいかが、日本の医師にも保健センターにも一目で分かるようになります。
ステップ3:足りない分を一緒に洗い出す
日本の定期接種の対象年齢内であれば、足りない回数は無料で受けられます。ただし、海外と日本ではワクチンの組み合わせや回数、間隔が違うため、どれを何回受けるかは医師と相談して決めます。
(参照:Know VPD!「予防接種スケジュールを立ててみよう!」)
【判断早見表】海外の接種歴と日本での扱い
母国で受けたワクチンが、日本でどう扱われるかの目安です。最終的な判断は小児科医と市区町村が行います。
| 海外での状況 | 日本での扱いの目安 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 六種混合や五種混合(DTaP-IPV-Hib、HBVを含むものなど)を受けた | 日本の五種混合・B型肝炎の回数として数えられることが多い | 残りの回数を日本の五種混合で受けられるか |
| MMRを受けた | MRの回数として数えられることが多い。おたふくかぜも接種済みになる | MR 2期を受ける必要があるか |
| BCGを受けていない(欧米出身に多い) | 1歳未満なら日本の定期接種で無料 | 1歳を過ぎていれば任意接種。必要性を医師と相談 |
| 日本脳炎を受けていない | 7歳6か月未満なら1期を無料で受けられる | 2期(9歳以降)との間隔 |
| ロタを受けていない | 生後15週以降に1回目を受けることはすすめられていない | 月齢によっては受けられないことがある |
| 記録をなくした | 記録がない回数は「未接種」として扱うのが基本 | 抗体検査(血液検査)が必要か |
記録が見つからないと、医師から抗体検査(採血して免疫があるかを調べる検査)をすすめられることがあります。子どもにとっても親にとっても負担になるので、海外の接種記録は原本と写真データの両方で保管しておくと安心です。
インターナショナルスクールの入学前に確認したいこと
インターナショナルスクールの多くは、入学時に英語の接種記録の提出を求めます。日本の定期接種だけを受けてきた子どもの場合、よく指摘されるのがおたふくかぜです。日本の定期接種はMRのため、おたふくかぜの欄が空白になりがちです。
入学を考えている場合は、次の2点を早めに確認しておきましょう。
- おたふくかぜ:学校が2回の接種記録を求めるか。任意接種なので自己負担で受けておく
- 英文の接種証明書:かかりつけの小児科が発行してくれるか。発行は有料のことが多く、数日かかる場合もあります
インターナショナルスクールと公立学校の違いについては、インターナショナルスクールと公立学校の比較も参考にしてください。
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7. 小児科の探し方と接種当日の準備
日本の小児科は丁寧に診てくれるところが多いですが、英語がどこまで通じるかはクリニックによってまちまちです。言葉の不安を減らすために、使える仕組みを先に知っておきましょう。
多言語の予診票を使う
予防接種リサーチセンター(予防接種の資料を作っている公益財団法人)が、外国語版の予診票を無料で公開しています。英語・中国語・韓国語・ベトナム語・スペイン語・ポルトガル語・タイ語・インドネシア語・タガログ語・ネパール語などに対応していて、日本語と並べて書かれています。
自分の言語で内容を理解したうえで、市区町村が発行した日本語の予診票に記入すれば、問診のやりとりがぐっと楽になります。冊子「予防接種と子どもの健康」の外国語版も同じページにあるので、ワクチンの基本を母語で読みたい方にもおすすめです。
(参照:予防接種リサーチセンター「Foreign Language 外国語」)
英語で相談したいときの電話窓口
外国語で受診できる医療機関を探したいときや、日本の医療制度について聞きたいときは、次の窓口が使えます。
| 窓口 | 電話番号 | 対応時間 | 主な対応言語 |
|---|---|---|---|
| AMDA国際医療情報センター(全国) | 03-6233-9266(無料ダイヤル 0120-339-266) | 平日 10:00〜16:00 | 英語(平日毎日)。中国語・韓国語・タイ語・スペイン語・ポルトガル語・フィリピン語・ベトナム語は曜日ごとに対応 |
| 東京都医療機関案内サービス「ひまわり」(東京都内) | 03-5285-8181 | 毎日 9:00〜20:00 | 英語、中国語、韓国語、タイ語、スペイン語 |
言語ごとの対応曜日は変わることがあるので、電話の前に公式サイトで確認しておくと確実です。
(参照:AMDA国際医療情報センター / 中央区「医療の相談」)
接種当日の持ち物チェックリスト
| 持ち物 | ポイント |
|---|---|
| 母子健康手帳 | 定期接種では持参が必要。忘れると受けられません |
| 予診票 | 市区町村が発行したもの。事前に記入しておく |
| 本人確認ができるもの | マイナ保険証、資格確認書、子ども医療費受給者証など(市区町村によって異なる) |
| 海外の接種記録 | 初めてのクリニックでは必ず持っていく |
| 着替え・タオル | 腕を出しやすい服で。ロタのあとに吐くこともあります |
従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限が切れ、期限切れの保険証で受診できる暫定措置も2026年7月末で終わりました。今はマイナ保険証か資格確認書が必要です。子どもの医療証と一緒に、どれを持っていくかをクリニックに確認しておくと安心です。切り替えの詳細は古い保険証の期限とマイナ保険証への切り替えを読んでみてください。
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古い保険証が使えるのは2026年7月末まで。マイナ保険証への切り替え、まだの人は今すぐ確認を
2024年12月に健康保険証の新規発行が終了し、1年間の併用期間も2025年12月1日で満了。期限切れ保険証で受診できる特例措置も2026年7月末で終了し、8月以降はマイナ保険証か資格確認書がないと窓口で全額自己負担になります。15言語資料…
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(参照:千葉市「赤ちゃん、子どもの予防接種を受ける際の持ち物について」)
接種後の副反応と過ごし方
接種のあと、30分ほどはクリニックの中か近くで様子を見るように言われます。まれに起きる重いアレルギー反応(アナフィラキシー)に、すぐ対応できるようにするためです。
よくある副反応は次のとおりです。
- 発熱:接種の当日から翌日にかけて熱が出ることがあります。機嫌がよく、ミルクや水分がとれていれば、多くの場合は様子を見て大丈夫です
- 腫れ・赤み:注射したところが赤く腫れることがあります。数日でおさまるのが普通です
- BCGのあと:数週間後に針のあとがうみのようになりますが、正常な反応です
高い熱が続く、ぐったりしている、けいれんした、といった場合は、すぐに受診してください。夜間や休日に迷ったときの判断の目安は、日本で子どもが急病になったときの判断ガイドにまとめています。
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日本で子どもの救急・急病対応ガイド2026:外国人保護者のための緊急時完全マニュアル
「子どもが急に熱を出した」「救急車を呼ぶべき?」日本で子育てをする外国人保護者が直面する緊急事態。#8000(小児救急電話相談)の使い方、119番の電話スクリプト、医師への伝え方、無料~格安になる子ども医療費助成制度まで、深夜の不安を安心に…
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万が一のための健康被害救済制度
定期接種によって健康被害が起きたと国が認めた場合は、医療費や障害年金などが給付される「予防接種健康被害救済制度」があります。申請は、接種したときに住民登録していた市区町村で行います。国籍に関係なく使える制度です。
FAQ(よくある質問)
Q: 定期接種の対象年齢を過ぎてしまったら、どうなりますか?
A: 対象年齢を1日でも過ぎると、そのワクチンは任意接種の扱いになり、費用は自己負担になります。料金は医療機関ごとに違うので、予約の前に確認してください。なお、重い病気で長く治療していて対象年齢の間に受けられなかった場合は、治療が終わってから2年以内なら定期接種として受けられる特例があります。ただし、BCGは4歳まで、小児用肺炎球菌は6歳までなど、ワクチンによっては年齢の上限があります。
Q: 一時帰国中に接種の時期が来たら、母国で受けてもいいですか?
A: 受けること自体はできますが、費用は自己負担になり、日本の市区町村から払い戻しは受けられないことがほとんどです。また、ワクチンの組み合わせが違うと日本での残りの回数の数え方が変わることがあります。帰国前に日本の小児科で相談し、母国で受けた場合は接種記録を必ずもらってきてください。
Q: 日本でMMRワクチンは受けられますか?
A: 2026年5月にMMRワクチンが国内で承認されましたが、2026年10月時点で定期接種として使われているのはMRワクチンです。今はMR(定期接種・無料)とおたふくかぜワクチン(任意接種・自己負担)を組み合わせるのが一般的です。おたふくかぜは2027年度に定期接種になる見通しなので、最新の情報は小児科で確認してください。
Q: 英語が通じないクリニックでも予防接種を受けられますか?
A: 受けられます。予防接種リサーチセンターの外国語版の予診票で内容を理解したうえで、日本語の予診票に記入して持っていけば、最低限のやりとりで接種まで進められることが多いです。予約の電話が不安なときは、AMDA国際医療情報センターに外国語で対応できる医療機関を相談する方法もあります。
Q: BCGは受けたほうがいいですか?
A: 日本ではBCGは定期接種で、1歳になるまで無料で受けられます。アメリカのように子どもに一般的には接種しない国もありますが、日本では乳幼児が結核にかかったときの重症化を防ぐ目的で、定期接種に入っています。母国での方針と違って迷うときは、小児科医に相談して決めましょう。
Q: 同時接種は何本まで受けられますか?
A: 日本では、医師が必要と判断すれば同時に受けられる本数に決まった上限はありません。生後2か月に4種類を同時に受けるのも一般的です。不安な場合は、分けて受ける方法も含めて医師に相談できます。
Q: ロタウイルスワクチンの前に授乳してもいいですか?
A: 授乳の直後は吐き戻しやすいので、接種の30分前くらいまでに授乳を済ませておくと安心です。もし接種のあとに吐いてしまっても、基本的には飲み直しはしません。気になるときはその場で医師に伝えてください。
Key Takeaways(まとめ)
- ✅ 来日したらまず住民登録と予診票の申し込み。海外から来た子どもの予診票は、自動で届かないことがあります
- ✅ ロタとBCGは期限が早い。ロタの1回目は生後14週6日まで、BCGは1歳になるまでです
- ✅ 2024年から制度が大きく変わっている。五種混合、20価肺炎球菌、妊婦のRSウイルスワクチン、MMR承認と、古い情報との違いに注意
- ✅ 海外の接種記録は母子手帳に書き写してもらう。足りない分は、対象年齢内なら日本で無料で補えます
- ✅ 言葉が不安なら外国語版の予診票とAMDAを使う。インターナショナルスクールを考えているなら、おたふくかぜと英文証明書も早めに確認を
初めての予防接種は、知らない言葉と手続きの多さに戸惑うかもしれません。でも、一度流れが分かれば、あとは母子手帳と予診票を持ってクリニックに通うことの繰り返しです。次の接種日をカレンダーに書き込むところから、始めてみませんか。