Last Updated: April 15, 2026
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はじめに
日本の就活をスタートしたものの、「履歴書って何を書けばいいの?」と固まってしまった留学生、けっこう多いんじゃないでしょうか。
母国ではResume(レジュメ)やCV(職務経歴書)にスキルや実績を自由に書いていたのに、日本の履歴書は決まったフォーマットがあって、証明写真を貼って、手書きで…と聞いて「ちょっと待って」となった人もいるはず。実際、初めて履歴書用紙を見て「欄が多すぎる…」と途方に暮れた、という声はキャリアセンターでもよく聞く話です。
でも、日本の履歴書は型が決まっているからこそ、ポイントさえ押さえれば誰でも「通る書類」が作れます。それに留学生には、日本人にはない強みがあります。異文化を乗り越えてきた経験、複数の言語、母国と日本の両方を知っている視点。それを正しく伝えれば、むしろ他の応募者と大きく差をつけられますよ。
この記事では、日本語の履歴書の書き方を、基本情報の記入から志望動機、自己PR、ガクチカまで丸ごと解説します。
まとめ(TL;DR)
- 日本の履歴書はフォーマットが統一されている。海外のResume/CVとは別物
- 証明写真はリクルートスーツ着用が必須。スピード写真機で700〜1,000円
- 外国人留学生の名前はカタカナ(ふりがな欄)+ローマ字(氏名欄)で記載
- 母国の学歴は「〇〇(国名)△△高等学校 卒業」と国名を添える
- 志望動機・自己PR・ガクチカはSTAR法(状況→目標→行動→結果)で整理すると伝わりやすい
- 提出前にキャリアセンターや日本人の友人に必ず添削してもらう
日本の「履歴書」って何?レジュメとの違い
まず前提として、日本の「履歴書(りれきしょ)」は、海外のResumeやCVとはかなり性質が違います。「同じものでしょ?」と思って母国のフォーマットで提出すると、書類選考の時点で落とされることもあるので注意が必要です。
| 項目 | 日本の履歴書 | 海外のResume / CV |
|---|---|---|
| フォーマット | JIS規格など統一フォーマットあり | 自由形式 |
| 証明写真 | 必須(貼付欄がある) | 不要(国による) |
| 手書き or PC | 企業によるがPC可が増加中 | PC作成が一般的 |
| 記載内容 | 基本情報・学歴・志望動機など項目指定あり | スキル・経歴を自由にアピール |
| 枚数 | A4またはB5で1〜2枚 | 1〜2ページ |
日本の履歴書は「型」が決まっています。自由にアピールするのではなく、決められた項目をきっちり埋めることが第一歩です。
「就活ってまず何から始めればいいの?」という段階の人は、先に2027-2028年版 就活スケジュール完全ガイドで全体の流れを把握しておくのがおすすめです。
履歴書はどこで手に入る?
- 大学のキャリアセンター: 無料で配布していることが多いです。留学生向けの記入相談もやってくれます
- コンビニ・100円ショップ: JIS規格の履歴書用紙が売っています(100〜200円程度)
- PCテンプレート: 最近はPC作成OKの企業も増えています。厚生労働省が推奨する様式をダウンロードして使いましょう
- YOLO JAPANの履歴書ビルダー: オンラインで項目を入力するだけで日本語の履歴書が簡単に作れます。手書きが苦手な人や、フォーマットに迷っている人にはおすすめです
大学のキャリアセンターは留学生にとって最強の味方です。履歴書の添削から模擬面接まで無料で対応してくれるところが多いので、まだ行ったことがなければ一度足を運んでみてください。
証明写真のルール
日本の履歴書には左上に証明写真を貼るスペースがあります。「写真くらい何でもいいでしょ」と思うかもしれないけど、実はここにも細かいルールがあるんです。
- サイズ: 縦4cm × 横3cm
- 服装: リクルートスーツ(黒か紺のスーツ+白シャツ)が基本
- 背景: 白か薄いブルー
- 表情: 口角を少し上げて、清潔感のある明るい印象に
- 撮影時期: 3ヶ月以内に撮影したもの
- 撮影場所: 駅前のスピード写真機(700〜1,000円程度)か、写真館(1,500〜3,000円程度)
知り合いの留学生で、パスポート用の写真をそのまま貼って提出したら「サイズが合いません」と返された人がいました。それだけならまだしも、SNSのプロフィール写真を印刷して貼るのは絶対にNG。こういう基本的なところで印象が決まってしまうこともあるので、面倒でもちゃんと撮り直しましょう。
基本情報の書き方(名前・住所・連絡先)
ここは留学生が一番迷いやすいパートです。特に名前の表記は、日本人とはルールが少し違います。
名前の書き方
- 氏名欄: ローマ字でフルネーム、またはカタカナで記載します
- ふりがな欄: 日本では、欄の表記に合わせて記入するルールがあります。「ふりがな」と書かれていればひらがな(例:「じょん すみす」)、「フリガナ」と書かれていればカタカナ(例:「ジョン スミス」)で記入します。氏名欄にはローマ字(例:「JOHN SMITH」)を記載します
- 通称名がある場合: 在留カード(Residence Card)に通称名が記載されていれば併記できます。
履歴書の名前は在留カードと同じ表記にしましょう。表記が違うと書類選考で混乱を招き、確認の手間が増えてしまいます。
住所の書き方
- 都道府県名から建物名・号室まで省略せずに記載します
- 母国の住所は書かなくてOKです(聞かれた場合のみ)
- 郵便番号も忘れずに
連絡先
- 日本の携帯番号を記載します(国際番号は不要)
- メールアドレスは大学発行のものか、Gmailなどフリーメールで問題ありません。ただし「partyking2000@…」のようなカジュアルすぎるアドレスは避けましょう
学歴・職歴の書き方
学歴
留学生の場合、母国の学歴と日本の学歴を時系列で書くのが基本です。一番のポイントは国名を添えること。
- 母国の高校以降の学歴から記載する
- 日本語学校に通っていた場合はそれも忘れずに書く
- 学校名は正式名称で省略しない
- 専攻やコース名も記載する
記入例
| 年月 | 学歴 |
|---|---|
| 20XX年6月 | 〇〇(国名)△△高等学校 卒業 |
| 20XX年10月 | 〇〇日本語学校 入学 |
| 20XX年3月 | 〇〇日本語学校 修了 |
| 20XX年4月 | 〇〇大学 △△学部 □□学科 入学 |
| 20XX年3月 | 〇〇大学 △△学部 □□学科 卒業見込み |
「卒業」と「修了」の使い分けに注意しましょう。大学・高校は「卒業」、日本語学校や専門課程は「修了」を使うのが一般的です。迷ったらキャリアセンターに確認してみてください。
職歴
新卒の留学生で正社員経験がなければ、「なし」と書いてOKです。日本でのアルバイトは基本的に職歴欄には書かないけど、志望動機や自己PRのエピソードとしては大いに活用できます。
母国で正社員として働いた経験がある場合は忘れず記載しましょう。
志望動機で差がつく書き方
志望動機は、人事が最も注目するパートのひとつです。「なぜこの会社で働きたいのか」を、自分の経験やスキルと結びつけて書くのが鉄則ですよ。
ここで「御社のグローバルな環境に惹かれました」とだけ書いてしまう留学生が多いけど、それだと「どの会社にも同じこと言ってるでしょ?」と人事は思ってしまいます。
志望動機の3ステップ
- きっかけ: なぜこの業界・会社に興味を持ったのか
- 根拠: 自分のどんな経験・スキルが活かせるのか
- ビジョン: 入社後にどう貢献したいのか
例文(商社を志望する場合)
大学で国際経済を専攻する中で、日本企業の東南アジア進出に強い関心を持ちました。3年次のインターンシップで貿易事務を経験し、母国と日本をつなぐビジネスの現場に携わりたいと確信しました。ベトナム語・日本語・英語の3言語を活かし、御社の〇〇地域における事業拡大に貢献したいです。
志望動機の使い回しは人事にすぐバレます。企業のIR資料や採用ページを読み込んで、「御社の〇〇事業に」と具体的に言及することで「ちゃんと調べている」という印象になりますよ。
「なぜ日本で働きたいか」を面接で深掘りされたときの対策は、「なぜ日本で働きたいのですか?」面接での答え方ガイドを参考にしてみてください。
自己PRの書き方と例文
自己PRは「自分の強みや性格」をアピールするパートです。後で紹介するガクチカとは違い、「私はこういう人間です」「こういう力があります」ということを伝える場所ですね。
「自分の強みなんて思いつかない…」と悩む留学生は多いけど、実は留学生が当たり前にやっていることの中に、日本人学生にはアピールしづらい強みがたくさん眠っています。
外国人留学生がアピールしやすい強み
| 強み | 具体的なエピソード例 |
|---|---|
| 異文化適応力 | 来日直後に一人で区役所の手続きや銀行口座開設をやり遂げた |
| 多言語スキル | 3ヶ国語を使ってアルバイト先で外国人観光客の接客対応をした |
| 問題解決力 | 日本語が通じない場面で翻訳アプリやジェスチャーを駆使して乗り越えた |
| 行動力 | 母国を離れて日本で学んでいること自体が行動力の証 |
| 粘り強さ | JLPT N2に3回目の挑戦で合格した / ゼミの研究を諦めずにやり遂げた |
自己PRの例文
私の強みは、困難な状況でも工夫して乗り越える適応力です。来日当初は日本語がほとんど話せず、区役所での手続きに苦労しました。しかし、翻訳アプリを活用しながら一つひとつ自力で対応し、3ヶ月で生活基盤を整えることができました。その後、アルバイト先の飲食店では外国人観光客の対応を任されるようになり、英語メニューの作成を提案して売上向上にも貢献しました。この適応力と行動力を活かし、御社でも新しい環境に素早く馴染みながら成果を出していきたいです。
「日本語が上手ですね」で終わらせないのがコツです。語学力そのものより、どうやって習得したか、仕事でどう活かしたいかを伝えるほうが人事の印象に残ります。
「ガクチカ」って何?わかりやすく解説&書き方
日本の就活で必ず聞かれるのが「ガクチカ(Gakuchika)」。「学生時代に力を入れたこと」の略称です。履歴書にもエントリーシート(ES)にも書く欄があり、面接でもほぼ確実に聞かれます。
「起業した」「全国大会で優勝した」みたいな派手なエピソードがないとダメなのでは?と不安になる人もいるけど、心配いりません。人事が本当に知りたいのは「すごい結果」ではなく、「あなたがどう考えて、どう行動したか」というプロセスです。
日本に来て生活していること自体が、エピソードの宝庫。日本語の勉強、アルバイト、サークル活動、ゼミの研究。どれも立派なガクチカになりますよ。
STAR法で書けば伝わる
ガクチカの構成でおすすめなのがSTAR法(スター法)。4つのステップで整理すると、誰が読んでも筋が通った文章になります。
| ステップ | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| Situation(状況) | 取り組みの背景 | 「居酒屋でアルバイトをしていた」 |
| Target(目標) | 何を目指したか | 「外国人客の注文ミスをゼロにしたかった」 |
| Action(行動) | 具体的に何をしたか | 「英語メニューを自作し、接客マニュアルも作った」 |
| Result(結果) | どう変わったか | 「注文ミスが月10件→2件に減り、店長に表彰された」 |
Action(行動)を最も厚く書きましょう。 人事が評価するのは「結果の大きさ」より「どう考えて動いたか」です。結果が小さくても、行動に具体性と工夫があれば高く評価されます。
ガクチカの例文
【S:状況】 学生時代に力を入れたのは、アルバイト先の居酒屋で外国人観光客向けの接客改善に取り組んだことです。来店する外国人客の注文ミスが月に10件ほど発生しており、スタッフも対応に困っていました。
【T:目標】 このミスをゼロに近づけたいと考えました。
【A:行動】 英語と中国語の写真付きメニューを自作し、よく使う接客フレーズをまとめたミニマニュアルも作成してスタッフに共有しました。
【R:結果】 その結果、注文ミスは月2件に減少し、外国人客の来店リピート率も向上。店長から「あなたがいてくれて本当に助かる」と言っていただけました。この経験を通じて、異なる文化背景を持つ人同士の「架け橋」になることにやりがいを感じました。
やりがちなNG集
書き方をしっかり押さえていても、細かいミスで評価を下げてしまうケースがあります。キャリアセンターの職員から聞いた「留学生のあるある失敗」を紹介しますね。
- 修正液で訂正する: 日本の履歴書では修正液の使用はNG。間違えたら新しい用紙に書き直す
- 志望動機がコピペ: 複数企業に同じ文章を使い回す。最悪なのは、別の企業名が残ったまま提出してしまうパターン
- 写真が古い・カジュアルすぎる: 3ヶ月以内に撮影した写真を使う。私服写真やSNS写真は論外
- 「です・ます」と「だ・である」が混在: 履歴書は「です・ます」調で統一するのが基本
- 空欄を残す: 書くことがなくても「特になし」と記入する。空欄は「やる気がない」と見なされがち
- 消せるボールペン(フリクション)で書く: 手書きの場合は普通の黒ボールペンを使う。フリクションは摩擦や熱で文字が消えるため、公的書類にはNG
提出する前に、必ず日本人の友人やキャリアセンターの職員に見てもらいましょう。自分では気づけない日本語の不自然さや文化的なマナー違反を指摘してもらえます。一人で完璧にしようとしなくて大丈夫ですよ。
「そもそも履歴書を一から書くのが大変…」という人は、YOLO JAPANの履歴書ビルダーを使ってみてください。項目を入力するだけで日本語の履歴書が作れるので、フォーマットや書き方で悩む時間をグッと減らせます。
FAQ(よくある質問)
Q: 履歴書は手書きとPC、どちらがいいですか?
最近はPC作成OKの企業が増えているので、特に指定がなければPCで問題ありません。ただし「手書き指定」の企業もまだ存在します。手書きの場合は黒のボールペンで丁寧に。消せるボールペン(フリクション)は使わないでください。
Q: エントリーシート(ES)と履歴書の違いは?
履歴書は基本情報・学歴・志望動機を書く「共通フォーマットの書類」。エントリーシート(ES)は企業ごとに設問が異なる「選考書類」です。多くの企業では両方の提出を求められます。内容が多少重複してもOKですが、まったく同じ文章をコピペするのは避けて、切り口を変えましょう。
Q: 母国での短期アルバイトは職歴に書くべき?
基本的には書かなくてOKです。ただし、志望企業の仕事に直接関連する経験(例:IT企業志望でプログラミングのインターンをしていた)であれば、自己PRや志望動機のエピソードとして活用しましょう。
Q: 日本語の敬語に自信がないのですが…
完璧な敬語でなくても大丈夫です。大切なのは「丁寧に書こうとする姿勢」。「です・ます」調で統一して、不安なら提出前にキャリアセンターか日本人の友人にチェックしてもらいましょう。人事も、留学生に完璧な日本語は求めていません。
Q: 在留資格(ビザ)について履歴書に書く必要はある?
履歴書には在留資格の記入欄がないことが多いですが、面接では聞かれることがあります。卒業後に「特定活動」ビザに切り替えて就活を続ける予定の人は、特定活動ビザ(就職活動)完全ガイドを事前に読んでおくと安心です。
今日からできること(Key Takeaways)
- ✅ まず履歴書を1枚手に入れよう。大学のキャリアセンターでもらうか、コンビニで購入。PCテンプレートをダウンロードするのもアリ。とにかく「書き始める」ことが最初の一歩
- ✅ 証明写真はスーツで撮り直す。パスポート写真やスマホの自撮りはNG。スピード写真機なら700円程度で撮れる
- ✅ 志望動機・自己PR・ガクチカはSTAR法で下書きしてみよう。最初から完璧を目指さなくていい。まず書いてみて、キャリアセンターで添削してもらうのが一番効率的
- ✅ 「留学生であること」を武器にしよう。異文化適応力、多言語スキル、行動力。これは日本人学生にはアピールしにくい、あなただけの強み。自信を持って履歴書に書こう
面接対策も始めたい人は外国人留学生の就活面接でよく聞かれる質問10選へ。筆記試験が不安な人はSPI・WEBテスト対策ロードマップもチェックしてみてください。
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