日本で働いて収入を得ている人は、国籍に関係なく、日本の所得税のルールにしたがいます。会社員の多くは、会社が「年末調整(ねんまつちょうせい)」で税金を計算してくれるので、自分で何かをする必要はありません。でも、副業をしている人、会社を2つ以上かけもちしている人、フリーランスの人、年の途中で日本を離れる人などは、自分で「確定申告(かくていしんこく)」をしなければならないことがあります。
また、確定申告が必要ない人でも、医療費をたくさん払った年などは、確定申告(還付申告)をすると、払いすぎた税金が戻ってくることがあります。
この記事では、確定申告が必要かどうかの判断から、申告のやり方、日本を離れるときの手続きまでを、国税庁などの公式情報をもとにまとめました。
この記事は2026年10月時点の公式情報をもとにした一般的な情報です。税金の計算は、収入や家族の状況によって変わります。自分のケースについては、税務署や税理士に確認してください。
1. 確定申告とは
確定申告は、1年間(1月1日〜12月31日)の所得とそれにかかる所得税を自分で計算して、税務署に申告する手続きです。申告の期間は、基本的に、次の年の2月16日から3月15日までです。申告と納税の期限は、基本的に次の年の3月15日です。3月15日が土曜日・日曜日・祝日などに当たるときは、その次の休日でない日が期限になります。毎年の日にちは、国税庁の確定申告特集で確認しましょう。
会社員の場合、会社が毎月の給料から所得税を引きます。これを源泉徴収(げんせんちょうしゅう)といいます。年末には、会社が1年分の税金を計算し直します(年末調整)。そのため、多くの会社員は確定申告をしなくても税金の手続きが終わります。
確定申告書は、国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」で、画面の案内にしたがって金額を入れると作れます。作ったデータは、e-Tax(電子申告)で送ることも、印刷して税務署に郵送などで出すこともできます。
(参照:国税庁 No.2020/国税庁 No.2024/e-Gov「国税通則法」第10条/国税庁「確定申告特集」)
2. あなたは確定申告が必要?
| あなたの場合 | 確定申告は? |
|---|---|
| 会社1か所から給料をもらっていて、ほかの所得がない(または20万円以下) | 基本的に必要ありません(年末調整で終わります) |
| 会社1か所から給料をもらっていて、副業などの所得が20万円を超える | 必要です |
| 2か所以上から給料をもらっている | 条件によって必要です(下で説明します) |
| 1年間の給料が2,000万円を超える | 必要です |
| フリーランス・個人事業主 | 基本的に必要です |
| 医療費控除などを受けたい、年の途中で会社を辞めた | 必要ではありませんが、申告すると税金が戻ることがあります(還付申告) |
| 年の途中で日本を離れる | 条件によって必要です(8章で説明します) |
会社員でも確定申告が必要な人
次のどれかに当てはまる会社員は、確定申告が必要です。
国税庁は、給与所得者でも、次のような人は確定申告をしなければならないと案内しています(確定申告をすれば税金が戻る人は除きます)。
- 給料の1年間の収入が2,000万円を超える人
- 給料を1か所からもらっていて、給料の全部から所得税が引かれている人で、給料と退職金以外の所得(副業など)の合計が20万円を超える人
- 給料を2か所以上からもらっていて、給料の全部から所得税が引かれている人で、年末調整をしなかった給料の収入と、給料と退職金以外の所得の合計が20万円を超える人。ただし、給料の合計から一部の控除を引いた金額が150万円以下で、ほかの所得が20万円以下なら、申告はいりません
- 給料から所得税を引かない人(海外の会社など)から給料をもらっている人
ここでいう「所得」は、収入から経費などを引いた金額です。副業の売上そのものではないことに注意しましょう。
フリーランス・個人事業主
フリーランスや個人事業主は、基本的に確定申告が必要です。
国税庁は、1年間の所得の合計が所得控除の合計より多く、その差に対して所得税がかかる人は、確定申告をする必要があると案内しています。会社の年末調整がないフリーランスの人は、自分の所得がこの条件に当たるかを確認して申告します。
フリーランスの税金や開業届については、外国人がフリーランスで働くビザは?個人事業主の在留資格・開業届・税金でくわしく紹介しています。
Work & Career
外国人がフリーランスで働くビザは?個人事業主の在留資格・開業届・税金
いまのビザでフリーランスとして働ける?日本に「フリーランスビザ」はなく、働けるかどうかは在留資格で決まります。在留資格ごとの条件、開業届と青色申告、税金とインボイス、年金・健康保険、税金を払わないとビザの更新や永住に影響することまで、公式情…
関連記事を読む
(参照:国税庁 No.1900/国税庁 No.2020/国税庁 No.2030)
3. 居住者と非居住者
所得税では、日本に住む人を「居住者」と「非居住者」に分けて、どこまでの所得に税金がかかるかを決めています。
居住者は、日本国内に住所がある人か、今まで続けて1年以上日本に住んでいる人です(このような住まいを「居所(きょしょ)」といいます)。「住所」は、その人の生活の中心がある場所のことで、住まい、仕事、資産のある場所、家族が住んでいる場所などから判断します。
| 区分 | どんな人? | 税金がかかる所得 |
|---|---|---|
| 非永住者以外の居住者 | 居住者のうち、非永住者ではない人 | 日本と外国で得たすべての所得 |
| 非永住者 | 居住者のうち、日本国籍がなく、過去10年のうち日本に住んでいた期間の合計が5年以下の人 | 外国で得た所得以外の所得と、外国で得た所得のうち日本で支払われたものや日本に送られたもの |
| 非居住者 | 居住者ではない人 | 日本で得た所得だけ |
日本で長く暮らしている人の多くは、「非永住者(ひえいじゅうしゃ)以外の居住者」に当たります。この場合、母国など外国で得た所得も、日本で申告する必要があります。外国でも所得税にあたる税金を払っている場合は、日本の所得税から差し引ける「外国税額控除」があるので、税務署に相談しましょう。
住んでいる期間や、生活の中心がどこにあるかで判断が変わることもあります。自分がどれに当たるかわからないときは、税務署に確認しましょう。
(参照:国税庁 No.2010/国税庁 No.2012/国税庁 No.1240)
4. 主な控除
「控除(こうじょ)」は、税金を計算するときに、所得から差し引ける金額のことです。控除が多いほど、税金は少なくなります。
基礎控除
基礎控除は、所得が決まった金額以下の人なら、だれでも受けられる控除です。2026年(令和8年)分では、合計所得金額が489万円以下の人は104万円、489万円を超えて655万円以下の人は67万円、655万円を超えて2,350万円以下の人は62万円です。合計所得金額が2,350万円を超えると控除は少しずつ減り、2,500万円を超えると0円です。ただし、居住者でない人(非居住者)の基礎控除は、2026年分からは最高62万円です。
社会保険料控除・生命保険料控除
自分や家族のために払った健康保険や年金の保険料は、社会保険料控除の対象です。生命保険の保険料を払っている人は、生命保険料控除を受けられることがあります。会社員の場合、会社の年末調整でこれらの控除が入っていることが多いので、源泉徴収票で確認しましょう。
医療費控除
自分や、生計を一にする(同じお財布で生活している)家族のために、1年間に払った医療費が多い場合に受けられる控除です。医療費控除の金額は、次の式で計算します(最高200万円)。
(1年間に払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額)− 10万円
総所得金額等(1年間の所得の合計)が200万円未満の人は、10万円の代わりに、総所得金額等の5%の金額を引きます。医療費控除を受けるには、医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作って、確定申告書に添付します。
国外に住む家族の扶養控除
母国に住む親や子どもなどにお金を送って生活を支えている場合、条件を満たせば、扶養控除などを受けられることがあります。ただし、外国籍の人が使うことの多い控除なので、次の点に気をつけましょう。
- 控除を受けるには、その家族が自分の親族であることを示す「親族関係書類」と、生活費などを送ったことを示す「送金関係書類」を、確定申告書に添付するか、提出するときに見せる必要があります
- 2023年分からは、国外に住む30歳以上70歳未満の家族は、基本的に扶養控除の対象になりません。ただし、日本に住んでいた家族が外国の学校に留学するために日本を離れた場合、障害者、あなたからその年に生活費や教育費として38万円以上の送金を受けている人は、対象になります。この場合は、留学先の国が出したビザや在留カードにあたるカードのコピー(留学ビザ等書類)や、38万円以上を送ったことを示す書類も必要です
外国語で書かれた書類には、日本語の訳文も必要です。会社の年末調整でもう出している書類は、確定申告でもう一度出す必要はありません。どの書類が必要かは、国税庁のQ&Aで確認しましょう。
寄附金控除(ふるさと納税)
ふるさと納税や、決められた団体への寄附をした人は、寄附金控除を受けられます。ふるさと納税のワンストップ特例を申請していても、確定申告をすると特例は使えなくなるので、確定申告で寄附金控除も一緒に申告します。
ふるさと納税のしくみと申し込み方は、外国人のふるさと納税ガイド 仕組み・限度額・ワンストップ特例のやり方で紹介しています。
Money & Finance
外国人のふるさと納税ガイド 仕組み・限度額・ワンストップ特例のやり方
日本に住む外国籍の人向けに、ふるさと納税の仕組み、使える人の条件、控除の計算と限度額、寄附のしかた、ワンストップ特例と確定申告での手続き、返礼品のルールを、総務省・国税庁の公式情報をもとに解説します。日本を離れる予定がある人の注意点もまとめ…
関連記事を読む
(参照:国税庁 No.1199/国税庁 No.1120/国税庁 No.1180/国税庁「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A」(PDF)/国税庁 No.1155/国税庁 No.1130/国税庁 No.1140/国税庁 No.1150)
5. 必要な書類
確定申告のときに準備するものは、人によって違います。主なものは次のとおりです。
| 書類 | どんなときに必要? |
|---|---|
| 源泉徴収票 | 会社から給料をもらっている人。1月ごろに会社から受け取る |
| マイナンバーカード | 本人確認とマイナンバーの確認のため。e-Taxで申告するときにも使う |
| 医療費控除の明細書(医療費の領収書から作る) | 医療費控除を受ける人 |
| 保険料の控除証明書 | 生命保険料控除などを受ける人(保険会社から届く) |
| 寄附金の受領証 | ふるさと納税などの寄附金控除を受ける人 |
| 親族関係書類・送金関係書類 | 国外に住む家族の扶養控除などを受ける人 |
| 売上や経費をまとめた帳簿・書類 | フリーランス・個人事業主 |
| 銀行口座の情報 | 税金が戻る人(還付金を振り込んでもらう口座) |
| 居住形態等に関する確認書(国税庁の様式) | その年に「非永住者」だった期間がある人(3章を参照) |
源泉徴収票をなくした場合は、会社にもう一度出してもらえるか聞きましょう。
(参照:国税庁「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A」(PDF)/国税庁 No.1120/国税庁「申告書等一覧(申告所得税)」)
6. 確定申告のやり方
確定申告書の出し方は、主に次の3つです。
e-Tax(スマホやパソコンで送る)
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作り、e-Taxでそのまま送ります。スマートフォンとマイナンバーカードがあれば、自宅から申告できます。マイナンバーカードで本人確認をするので、カードを作るときに決めた暗証番号が必要です。
マイナンバーカードがない人のための「ID・パスワード方式」(税務署でIDとパスワードをもらう方法)は、2025年10月1日から新しい発行が止まっています。すでにIDとパスワードを持っている人は、2026年分の申告(2027年に出す申告)までは使えます。2027年分の申告からは使えなくなる予定です。
マイナンバーカードの作り方は、マイナンバーカードの作り方:申請から受け取りまでと在留期間との関係で紹介しています。
Visa & Legal
マイナンバーカードの作り方:申請から受け取りまでと在留期間との関係
マイナンバーカードの申請方法4つと受け取りの手順を、外国人の視点で整理しました。写真の条件、交付通知書が届いてからやること、在留期間の満了日と連動する有効期限の注意点、在留期間を更新したときに必要な手続き、通知カードや個人番号通知書との違い…
関連記事を読む
印刷して郵送する
作成コーナーで作った申告書を印刷して、住んでいる場所の税務署に郵送します。
税務署に持っていく
税務署に申告書を持っていって出すこともできます。確定申告の期間は、税務署が混みあうことがあります。
日本語が不安な人へ
国税庁は、外国人向けに、作成コーナーの入力のしかたを説明したマニュアル(簡易版)を、英語・中国語・ベトナム語などで公開しています。画面は日本語なので、このマニュアルを見ながら入力すると進めやすくなります。
(参照:国税庁「令和7年分 確定申告特集」/国税庁「ID・パスワードの新規発行停止について」(PDF)/e-Tax「ID・パスワード方式について」/国税庁「外国人向け入力マニュアル(簡易版)」/国税庁 No.2020)
7. 税金が戻る「還付申告」
給料から引かれた所得税などが、本当の税額より多かった場合、確定申告をすると、払いすぎた分が戻ってきます。これを「還付申告」といいます。
国税庁は、給与所得者が還付申告をできる例として、次のような場合を挙げています。
- 年の途中で会社を辞めて、年末調整を受けておらず、税金を払いすぎているとき
- 決められた条件を満たす家を買って、住宅ローンがあるとき(住宅ローン控除)
- 医療費控除などの控除を受けるとき
還付申告書は、確定申告の期間とは関係なく、対象の年の次の年の1月1日から5年間出すことができます。たとえば、2025年分の還付申告は、2030年12月31日まで出せます。
ただし、源泉徴収された所得税がない人(源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円の人など)は、申告しても戻ってくる税金はありません。
住宅ローン控除を受ける最初の年も、確定申告が必要です。家の買い方とあわせて、外国人の住宅ローンと家の買い方 永住権なしの条件、購入の流れと費用で紹介しています。
Money & Finance
外国人の住宅ローンと家の買い方 永住権なしの条件、購入の流れと費用
日本に住む外国人が家を買うときの住宅ローンと購入手続きを、銀行・国税庁・国土交通省などの公式情報をもとに解説します。永住権がない場合の借入条件、フラット35、金利の調べ方、購入の流れ、登記の国籍申出、税金と費用、住宅ローン控除、売るときの税…
関連記事を読む
(参照:国税庁 No.2030/国税庁 No.1211-1)
8. 日本を離れるとき
確定申告が必要な人が、納税管理人(のうぜいかんりにん)を決めずに日本を離れる場合は、日本を出る日までに確定申告と納税を終わらせる必要があります。
納税管理人は、日本にいない人の代わりに、確定申告書を出したり、税務署からの書類を受け取ったり、税金を納めたり還付金を受け取ったりする人です。納税管理人を決めて、税務署に届け出てから日本を離れれば、ふつうの期限(次の年の3月15日)までに申告できます。
東京国税局は、日本を離れる予定の会社員について、次のような流れを案内しています。
- 給料が1か所だけで、全部が源泉徴収の対象で、出国までの収入が2,000万円以下の人は、基本的に手続きは必要ありません(会社が出国のときに年末調整をします)
- それ以外の人で、出国までに申告と納税を終わらせることができる人は、出国までに済ませます
- 出国のあとにも日本で税金がかかる所得がある人(日本の不動産の家賃収入など)や、出国までに手続きを終わらせられない人は、納税管理人の届出が必要です
ただし、医療費控除や住宅ローン控除を受けたい人は、確定申告書の提出や納税管理人の届出が必要です。また、7月1日かそれより後に出国する人で、予定納税(よていのうぜい。所得税の一部を前もって納める制度)を納める必要が決まっている人も、手続きが必要です。
2026年11月30日までに、日本を出るために2026年分の申告書を出す人は、基礎控除を新しい金額ではなく、前の年までと同じ金額で計算します。2026年12月1日から「更正の請求(こうせいのせいきゅう。申告した税金を正しく直してもらう手続き)」をすると、新しい金額で計算し直すことができます。
日本を出たあとに厚生年金の脱退一時金を受け取ると、20.42%の所得税(復興特別所得税を含む)が引かれます。次の年の1月1日から「退職所得の選択課税の申告書」を税務署に出すと、引かれた税金の一部または全部が戻ることがあります。日本にいない間は、納税管理人に頼んで出すこともできます。
住民税は、所得税とは別のルールで、その年の1月1日に住んでいる市区町村でかかります。日本を離れる前に、市区町村の窓口で住民税の払い方も確認しておきましょう。
(参照:東京国税局「給与所得者の方で国外転出を予定されている方へ」(PDF)/国税庁 No.1923/国税庁 No.2665/国税庁 No.1199/国税庁「退職所得の選択課税の記載例」(PDF)/総務省「個人住民税」)
9. 申告しないとどうなる?
確定申告をしないと、あとから税金が増えたり、在留資格の手続きで困ったりすることがあります。
税金が増える
期限までに確定申告をしなかった場合は、気づいた時点でできるだけ早く申告します(期限後申告)。期限後申告をしたり、税務署から所得金額を決められたりすると、納める税金のほかに「無申告加算税(むしんこくかさんぜい)」がかかることがあります。また、納める日までの「延滞税(えんたいぜい)」もあわせて払う必要があります。
在留資格の更新や永住に影響する
在留期間を更新するときに、住民税の課税(または非課税)証明書と納税証明書(1年間の所得と、税金を払ったかどうかがわかる証明書)を出すように言われる在留資格があります。たとえば技術・人文知識・国際業務(技人国)では、勤め先の区分がカテゴリー3・4の人は、更新のときにこの証明書を出します。
また、出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン」では、永住の許可を受けるには、税金などをきちんと払っていることが求められています。申請するときには払い終わっていても、決められた期限までに払っていなかった場合は、基本的にマイナスに評価されます。
(参照:国税庁 No.2024/出入国在留管理庁「技術・人文知識・国際業務」/出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」)
10. 住民税との関係
確定申告をした人は、住民税の申告をする必要はありません。確定申告の内容をもとに、住んでいる市区町村が住民税を計算します。
一方、所得税の確定申告をしない人でも、住民税の申告が必要な場合があります。市区町村によって案内が違います。たとえば広島市では、給料以外の所得が20万円以下で確定申告をしなかった人や、医療費控除などを受けたい人は、住民税の申告が必要だと案内しています。住んでいる市区町村のホームページで確認しましょう。
(参照:広島市「住民税の申告が必要なのは、どのような人ですか」)
FAQ(よくある質問)
Q: 会社員ですが、確定申告は必要ですか?
A: 会社1か所から給料をもらっていて、ほかの所得が20万円以下なら、基本的に必要ありません。会社の年末調整で手続きが終わります。副業などの所得が20万円を超える人や、給料が2,000万円を超える人は、確定申告が必要です。給料を2か所以上からもらっている人も、年末調整されなかった給料と副業などの所得の合計が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。ただし、給料の合計から一部の控除を引いた金額が150万円以下で、ほかの所得が20万円以下なら、申告はいりません。
Q: 副業の所得が20万円以下なら、何もしなくていいですか?
A: 給料が2,000万円以下で、会社1か所から給料をもらっていて、給料の全部が源泉徴収されている人なら、所得税の確定申告はしなくてかまいません。ただし、住民税の申告は必要になることがあるので、住んでいる市区町村に確認しましょう。
Q: 母国の家族に送金していれば、扶養控除を受けられますか?
A: 条件を満たせば受けられますが、親族関係書類と送金関係書類が必要です。2023年分からは、国外に住む30歳以上70歳未満の家族は、外国の学校に留学するために日本を離れた場合、障害者、あなたから38万円以上の送金を受けている場合などを除いて、対象になりません。
Q: 何年前の分まで還付申告ができますか?
A: 対象の年の次の年の1月1日から5年間です。過去に医療費控除などを申告し忘れていた場合も、この期間内なら還付申告ができます。
Q: マイナンバーカードがなくても確定申告できますか?
A: できます。作成コーナーで作った申告書を印刷して郵送するか、税務署に持っていけます。マイナンバーカードがない人のためのID・パスワード方式は、2025年10月1日から新しい発行が止まっていて、2027年分の申告からは使えなくなる予定です。
Q: 帰国するときは、何をすればいいですか?
A: 確定申告が必要な人は、納税管理人を決めて税務署に届け出るか、日本を出る日までに確定申告と納税を終わらせます。会社1か所だけから給料をもらっている人の多くは、会社が出国のときに年末調整をするので、手続きは必要ありません。ただし、医療費控除などを受けたい人や、予定納税を納める必要がある人は、手続きが必要です。
Key Takeaways(まとめ)
- ✅ 会社1か所の給料だけで、ほかの所得が20万円以下なら、基本的に確定申告は必要ない
- ✅ 副業などの所得が20万円を超える人や、フリーランスの人は確定申告が必要。給料が2か所以上の人も、条件によって必要
- ✅ 申告の期間は、基本的に2月16日から3月15日まで。スマホとマイナンバーカードでe-Taxができる
- ✅ 国外に住む家族の扶養控除には、親族関係書類と送金関係書類が必要。30歳以上70歳未満は基本的に対象外
- ✅ 還付申告は5年間さかのぼってできる
- ✅ 日本を離れるときは、納税管理人を決めるか、出国までに申告と納税を終わらせる
- ✅ 申告しないと、税金が増えたり、在留資格の更新や永住に影響したりすることがある
確定申告は、自分が申告の必要な人か、受けられる控除は何かを知っておけば、難しい手続きではありません。わからないことは、税務署や税理士に早めに相談しましょう。