はじめに
「特定技能で働ける分野が増えたらしい」「育成就労って何?」「外食業の新規受付が止まってるって本当?」
2026年1月23日、政府は特定技能と育成就労(技能実習に代わる新制度)の受入上限を合計123万人とする方針を閣議決定しました。対象は19分野に拡大し、新たに物流倉庫・リネンサプライ・資源循環が加わっています。
この記事では、分野別の受入数、新制度「育成就労」の概要、そして今の仕事にどう影響するかをまとめます。
この記事でわかること
- 特定技能の受入上限は80万5,700人、育成就労は42万6,200人(合計123万人)
- 物流倉庫・リネンサプライ・資源循環の3分野が新たに追加
- 外食業は受入上限に到達し、2026年4月から新規受付を停止中
- 育成就労制度は2027年4月1日に施行予定。転職(転籍)が条件付きで可能に
免責事項: 本記事は出入国在留管理庁の発表をもとに整理しています。情報は2026年5月時点のものです。
123万人の内訳:分野別の受入上限
2026年1月の閣議決定で定められた受入見込数は、2024〜2028年度末までの5年間の合計上限です。
特定技能1号: 80万5,700人(19分野)
| 分野 | 受入見込数 |
|---|---|
| 工業製品製造業 | 173,300人 |
| 飲食料品製造業 | 139,000人 |
| 介護 | 135,000人 |
| 建設 | 80,000人 |
| 農業 | 78,000人 |
| 外食業 | 53,000人 |
| ビルクリーニング | 37,000人 |
| 造船・舶用工業 | 36,000人 |
| 自動車運送業 | 24,500人 |
| 宿泊 | 23,000人 |
| 漁業 | 17,000人 |
| 自動車整備 | 10,000人 |
| 航空 | 7,400人 |
| 木材産業 | 5,000人 |
| 鉄道 | 3,800人 |
| 林業 | 1,000人 |
| 物流倉庫 | 新規追加 |
| リネンサプライ | 新規追加 |
| 資源循環 | 新規追加 |
育成就労: 42万6,200人(17分野)
育成就労は特定技能の19分野から自動車運送業・航空を除いた17分野が対象です。
(参照:出入国在留管理庁 — 分野別運用方針)
123万人は「新たに入国する人数」ではなく、5年間の在留者数の累計上限。2025年末時点で特定技能の在留者はすでに約39万人いる。
新しく追加された3分野
今回の閣議決定で、以下の3分野が特定技能の対象に加わりました。
物流倉庫: 入出庫・仕分け・検品・在庫管理・物流機器の運転操作など。EC市場の拡大で倉庫の人手不足が深刻化している分野です。
リネンサプライ: ホテルや病院で使うシーツ・タオルなどの回収・洗浄・仕上げ・配送を行う業務。インバウンド需要の増加で人材確保が急務になっています。
資源循環: 一般廃棄物・産業廃棄物の中間処理(分別・破砕・圧縮など)を行う業務。
3分野とも技能評価試験の整備がこれからのため、実際に働き始められるのは2027年頃の見込みです。
(参照:出入国在留管理庁 — 新分野追加の詳細)
外食業は新規受付を停止中
一方で、外食業は2026年4月13日から特定技能1号の新規受入れを原則停止しています。受入見込数の上限(53,000人)に到達したことが理由です。
すでに外食業の特定技能で働いている人の在留資格更新には影響ありません。ただし、これから外食業で特定技能を取りたいと考えていた人は、枠の見直しが行われるまで待つ必要があります。
外食業で特定技能を目指していた人は、飲食料品製造業など他の分野への切り替えも検討してみてください。
育成就労制度とは? 2027年4月スタート
育成就労は、現行の技能実習制度に代わる新しい在留資格です。
| 技能実習(現行) | 育成就労(2027年4月〜) | |
|---|---|---|
| 目的 | 「国際貢献(技能移転)」が建前 | 「人材確保・育成」を正面から掲げる |
| 在留期間 | 最長5年 | 最長3年 |
| 転職(転籍) | 原則不可 | 条件付きで可能 |
| その後のキャリア | 制度上は帰国が前提 | 特定技能1号→2号→永住の道が開ける |
転職(転籍)が認められる条件は、同じ会社で1年以上勤務していること、技能検定基礎級に合格していること、日本語能力がN5以上であることなどです。
(参照:出入国在留管理庁 — 育成就労制度の概要)
育成就労→特定技能1号→特定技能2号という一貫したキャリアパスが制度として整備されます。長期的に日本で働きたい人にとっては、将来の選択肢が広がる変更です。
FAQ
Q. 育成就労制度はいつ始まる?
A. 2027年4月1日に施行予定です。それまでは現行の技能実習制度が続きます。
Q. 特定技能で働いている人に影響はある?
A. すでに特定技能で働いている人の在留資格には直接的な影響はありません。ただし、新3分野への転職や、受入上限到達による分野ごとの制限には注意が必要です。
Q. 受入上限123万人に達したらどうなる?
A. 外食業のように新規受付が停止されます。分野ごとに上限が異なるため、自分の分野の状況を確認してください。
Q. 育成就労で転職はできる?
A. 同じ会社で1年以上勤務、技能検定基礎級合格、日本語N5以上などの条件を満たせば、同じ分野内での転職(転籍)が認められます。
特定技能をはじめ、日本で働くための在留資格について詳しくは雇用契約と労働法ガイドも参考にしてください。また、転職を考えている人は日本で需要が高い仕事10選も役立ちます。
まとめ
- ✅ 特定技能+育成就労の受入上限は123万人。対象は19分野に拡大
- ✅ 物流倉庫・リネンサプライ・資源循環が新たに追加(実際の受入は2027年頃から)
- ✅ 外食業は上限到達で新規受付停止中。他分野への切り替えも選択肢
- ✅ 育成就労制度は2027年4月スタート。転職が条件付きで可能に
- ✅ 育成就労→特定技能1号→2号→永住という長期キャリアパスが整備される