はじめに
5月の電気代の請求書を見て、「先月より高くない?」と感じた人は多いのではないでしょうか。実はこの5月から、電気代とガス代に関わる2つの変更が同時に起きています。
1つは政府による電気・ガス料金の補助が3月使用分で終了したこと。もう1つは再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)が過去最高の4.18円/kWhに引き上げられたことです。この2つが重なって、ほぼすべての世帯で月1,000〜1,500円程度の負担増になっています。
この記事では、何がどう変わったのか、日本で暮らす世帯の光熱費にどう影響するのか、今すぐできる節約対策を整理します。
この記事でわかること
- 電気・ガス補助金がいつ終了し、請求にどう反映されるか
- 再エネ賦課金とは何か、いくら上がったのか
- 一人暮らし・家族世帯それぞれの影響額の目安
- 今すぐできる5つの節約対策
免責事項: 本記事は経済産業省および資源エネルギー庁による2026年5月時点の発表をもとに整理しています。料金は電力会社・地域・プランにより異なります。
何が変わった? 2つの値上げ要因
要因1: 電気・ガス補助金の終了
政府は物価高対策として、電気・ガス料金の補助(「電気・ガス料金支援」)を実施していました。2026年1月〜3月使用分まで補助が適用されていましたが、4月使用分(5月請求分)から補助がなくなりました。
(参照:資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援)
補助額の目安は次のとおりです。
- 電気:1.5円/kWh の値引きがなくなった
- 都市ガス:0.5円/㎥ の値引きがなくなった
月260kWhを使う標準世帯の場合、電気だけで月390円、ガスと合わせると月500〜700円の負担増になります。
要因2: 再エネ賦課金の引き上げ
再エネ賦課金とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及コストを電気利用者全員で負担する仕組みです。電気を使えば自動的にかかります。
2026年5月検針分から、単価が3.98円 → 4.18円/kWh に引き上げられました。制度開始以来の過去最高額です。
再エネ賦課金は電力会社に関係なく全国一律です。新電力に切り替えても、この部分は同じ金額がかかります。
世帯タイプ別の影響額
| 世帯タイプ | 月の電力使用量 | 補助終了の影響 | 再エネ賦課金の影響 | 合計の負担増(月) |
|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 約200kWh | 約300円 | 約40円 | 約340円 |
| 二人暮らし | 約300kWh | 約450円 | 約60円 | 約510円 |
| ファミリー(3〜4人) | 約400kWh | 約600円 | 約80円 | 約680円 |
上記は電気代のみの試算です。ガス代の補助終了分(月100〜200円程度)を加えると、ファミリー世帯では月800〜1,000円程度の負担増になります。さらに夏のエアコン使用で電力消費が増えれば、影響額はさらに大きくなります。
光熱費を含む日本の生活費全体については 【2026年版】日本の生活費リアル も参考にしてみてください。
なぜ補助が終了したのか
電気・ガス料金支援は、2022年のエネルギー価格高騰を受けた緊急措置として始まりました。しかし支援には毎月の財政負担が伴うため、政府はエネルギー価格の安定を理由に段階的に縮小してきました。
2026年1〜3月分は「冬の暖房需要への配慮」として一時的に復活しましたが、4月以降の延長は現時点で発表されていません。
補助金が再開される可能性はゼロではありません。過去にも一度終了した後に復活した実績があります。経済産業省の発表をチェックしておきましょう。
今すぐできる5つの節約対策
1. 古い家電の買い替え
10年以上前のエアコン・冷蔵庫は、現行モデルと比べて省エネ性能が大幅に進化しています。特に冷蔵庫は消費電力の差が大きく、買い替えだけで電気代を年間で大きく節約できるケースもあります。故障してから慌てて買い替えるより、補助金や型落ちセールのタイミングで計画的に検討するのがおすすめです。安く家電を揃える方法は 日本で家具や家電を安く買える店ガイド で詳しく解説しています。
2. 契約アンペア数の見直し
一人暮らしなら30Aで十分なケースが多いです。40Aや50Aで契約していると基本料金だけで月300〜600円余分に払っている可能性があります。
3. エアコンの設定温度
夏は28℃、冬は20℃が目安です。設定温度を1℃変えるだけで、電気代が約10%変わるとされています。
4. 待機電力のカット
使っていない家電のコンセントを抜きましょう。特にテレビ、電子レンジ、PCは待機電力が大きいです。電源タップのスイッチで一括OFFにすると楽になります。
5. LED照明への交換
まだ蛍光灯を使っているなら、LEDに交換するだけで照明の電気代が約50%削減できます。
FAQ
Q. 再エネ賦課金って何?払わないとダメ?
A. 再生可能エネルギーの普及費用を電気利用者全員で負担する制度です。電気を使う限り自動的にかかるもので、払わない選択肢はありません。
Q. 新電力に切り替えれば再エネ賦課金も安くなる?
A. いいえ。再エネ賦課金は全国一律なので、どの電力会社でも同じです。ただし電力量料金や基本料金は安くなる可能性があります。
Q. 補助金はもう復活しない?
A. 現時点では未定です。過去にも一度終了後に復活した実績があるので、政府の発表をチェックしておきましょう。
Q. 家電はどのくらい古くなったら買い替えが目安?
A. 10年が一つの目安です。特に冷蔵庫・エアコン・洗濯機はこの10年で省エネ性能が大幅に向上しています。自治体によっては省エネ家電への買い替え補助金を出しているところもあるので、お住まいの市区町村のサイトをチェックしてみましょう。
Q. ガス代も上がっている?
A. はい。ガス代も補助金終了分(月100〜200円程度)が上乗せされています。プロパンガスの場合はもともと高いため、都市ガス地域への引っ越しも選択肢の一つです。
まとめ
- ✅ 10年以上前のエアコン・冷蔵庫を使っているなら、買い替えの検討を始める(冷蔵庫から優先)
- ✅ 契約アンペアやエアコン設定温度など、お金をかけずにできる見直しから実行する
- ✅ 自治体の省エネ家電補助金と、経済産業省の補助金再開アナウンスを定期的にチェックする
今回の値上げは一時的なものではなく、補助金終了と再エネ賦課金の引き上げが重なった構造的な変化です。請求書が届いてから慌てるのではなく、夏の電力使用ピークが来る前に、できるところから少しずつ対策を始めておくと家計への影響を抑えられます。